シアターに10人くらいしかいなくて快適だった。北野武(ビートたけし)はニュース番組MC(?)での発言がちょっと苦手で、すごく好きな芸能人ではない。
個人的に作中で盛り上がりを感じる場面はほとんどなかったけど、北野武にいい印象がなかったから、こういう話なんだーとすごく意外だった。権力者、権力構造、権力のための衆道(≠同性愛)、切腹という名誉ある自死(嫌味です)等々のホモソーシャルのアホらしさをひたすら風刺していて、それらの中に自らもいるというシニカルさはかなり好きだった。北野武の映画は肌に合わない印象があって、鑑賞中なんでだろうと考えていた。で、やっていることは好きだけど、映像的に好みじゃないんだとわかった。コメディアンが男社会を風刺するという意味でコント風なのは納得なんだけど、単純に自分好みの映像ではなかった。けど内容は好き、みたいな...。なんかああいう男の人達って男しか好きじゃないよねと、Twitterに書いたら怒られそうな主語がでかいことを思った。男が好きというか理解できる範囲のもの・人しか理解できない、結果的にそれは男同士であることが多いみたいな。
加瀬亮の演技が怖くてよかった。自信家で狂ったところがある様子が肩を揺らす馬の乗り方にまで現れてて、加瀬亮自身が演出したのか気になる。ゴアは平気だけど粘膜系はダメだから、短刀フェラチオは痛そうでウワーとなった。荒川良々はコメディリリーフで出るのかと思ったら、結構マジメにやっていた。そのマジメさがおかしみを生んでいてとてもよかった。中村獅童の舌が真っ白で、小汚さが出てたのもよかった。柴田理恵、あんな声出るんだなあ。
あと、戦国時代から今の政治まで根本的な部分はほとんど変わってないなと思った。政治家が責任を取らず秘書を更迭させるとか、森友問題の自死職員のことも、政治家にとってはあれが普通なんだろうなみたいな。ちゃんと選挙行こう...という気持ちになった。行ってるけど...。