歳月の経ち過ぎた反省

328
·

日記が続いた試しは無い。誰にも見せない日記でさえもだ。

だから、書いて吐き出す事など、はなから必要ない。

そう思い込んでいた。

26歳になる。今この歳になってようやく、自身の苦しみに気づいた。

自分1人と対話をし続けることは、運動をしないことと等しいくらいに、不健康極まりない。

日記が続いた試しは無い。

しかし、続けなければならない理由は、どこにも無い。美しい文体である必要もない。同じ美容室に通い続けなくてもいいのと同じ。

ふと、書き出してみようと思った。今日はそんな、ほんの一握りていどの「書きたい」という気持ちに従ってみることにする。

---------------------------------

自分だけが間違い続けてきた。何もかも、すべてが今更だった。気づかなかった、いいや、自分の気持ちを感じ取ることに蓋をしていた。だから、自分自身でさえ、気づけなかった。

外側の世界に向かって、自分を開示することが、酷く苦手だった。幼い頃からそうだった。趣味嗜好を他者と共有するよろこびも知らなかった。なおさら、どう現実と関わったら良いのか、わからないままだった。理解される範囲のことを、周りと共有すればよい、と思っていた。本当のことは言わなくてもいいと。

自分自身に対する、無意味な叱責、嘘の堆積、ああ、そうだ、自分の価値を自分で下げ続けてきた。

これから、ありのままの自分を受け入れられたら、間違わずに済むだろうか。欠けた部分を見つめるのではなく、輪郭として捉えられるようになれたなら。

なぜ、間違い続けている自分と、関わってくれる人がいるのだろうか。

ようやく、人の良さというものを、身に染みて分かり始めたように思う。今までその恩恵を受けておきながら、素直でいることができなかった自分が、本当に、本当に、馬鹿らしくて、許せない。

頭ではわかっていた。私は人であるということ。であれば、人の文化や人体の理に従って、ある程度の意思決定をすればよかったのだ。

あまりにも酷い。脱皮に失敗した某のようだった。

こんな私は受け入れてもらえるのだろうか。いいや、現に受け入れてもらっているじゃないか。

酷い。今までの自分が、あまりにも酷い。そんな自分を抱えて、これからどこへ行けばよいというのだ。

ここまでの文章を読み返してみた。現実ではどうにか気持ちを保ってはいるが、こうして眺めてみると、酷く混乱しているのだろうな、と感じた。

誰にこれを見せるというのだ、こんなもの必要ないだろう。昔であれば、確実にそう思っては、何も行動に起こすことは無かった。今はこうして、文字を並べてみている。

今ならわかる感覚がある。全てが溶け出して、1つの塊のようになっている感覚。私も身を委ねたい、そう思える。形の悪い自分であることはとても恥ずかしいけれど、それでも。

曖昧なままで居たかった。だが、すべて曖昧である必要はない。曖昧さを残しつつ、私はもっと具象的でありたいと、今は望んでいる。

書いてみようと思えたのは、紛れもなく今日だからだ。

どこでもない「いつか」ばかりを見つめ続けた自分が、今日を感じられている。

これでいい、拙い文体で、何を指しているのかわからない内容で、流れのない構成で、美しくない改行で、支離滅裂なままで。

誰も見ていなさそうで見ているかもしれない、そんな距離感の場所で、書いてみたかった。誰にも書くななどと言われない。これで良かった。これが良かった。

私は静かな場所が好きだ。あるとき、私は疲れてしまった。また賑やかな場所へ遊びに行けるような自分が居たら。ああ、これは憧れだろうか、目標にはしないでおこう。

小さな自分が好きだ。傷ついていることを隠している自分より、よっぽど、恥ずかしくて小さくて情けない、そんな自分が、好きだと、思った。

今、少しずつ元気になってきている、そんな自分が心から、好きだ。今まで、本当になんだったのだろう。

インターネットを通じて、私が誰かである事があきらかになってしまうことを恐れていた。この感覚は今でもある。文の端々に、思想に基づいた言葉の選び方が見て取れる。誰にもばれたくないなあ。そうはいかないよなあ。それはそのときだろう。もう考えすぎたくない。慎重な自分は好きなんだけどね。

自分だけがアクセスできる日記とは違う、この、誰かの目があるかもしれない、というところが、今の自分には必要なのかもしれない。本当に?わからない。だがいいんだ、今はこれで。

自分のことが好きだ。某氏のポストをふと目にして、自分も言ってみようと思った。ちょっと嬉しいのかもしれない。わからない。今日はそうしたかったから、いいんだ、これで。

あらゆる物事から逃げた先に、今の私がある。それが良かったのかどうか、分からない。どちらかと言えば、良かった、と思いたくないのかもしれない。もっとああ出来た、こう出来た、と可能性を空想する。全てが遅すぎた。今更だと感じることばかりだ。

前を向けそうな気持ちと、後ろに引っ張られる気持ちとのせめぎ合いの最中にある。

思っていることをありのまま書いてよかったのだろうか。少し抵抗がある。読みやすい文章にしよう、自分とわかられないような内容にしよう、ちょっと格好のつく言い回しをしよう。それらすべて、もういいよ。私はもう諦めたいんだ。

本当に今まで、阿呆だった。人間って、意味不明だ。足るていどの衣食住と、人であることを受け入れてもらえる関係性や場所と、それらがあるならば、あまりに幸福だ。

@emuzis
食べる 寝る 排泄する 属する