2024年の"推し"本 Advent Calendar 2024 の 12 日目。
『MAID HACKS 改訂版 実在の英国メイド・エピソード集』(サークル: SPQR、著者: 久我真樹)
この本を読んで感じたこと、学んだこと。
労働環境の改善の必要性
平等な社会を目指すことの大切さ
どんな人でも尊重されるべきである
この本と技術書典 17 で出会った。
店頭で見つけたときテンション上がった。
いわゆる技術書ではない。
著者久我真樹さんの note に英国メイド同人誌と技術書の関係について書いてある。
2007 年初版で 2023 年に改訂版として本書が発売。
2007 年刊行当時、日本ではメイドブームのピーク。
2005 年に流行語大賞「萌え〜」ノミネート。
最近もメイド喫茶文化は広まり続けている気がする。
この本にはメイド喫茶のメイドさんではなく、実際のメイドさんのエピソードがたくさん載せられている。
ぼくはメイド喫茶に行ったときにメイドさんにタメ口をきかれて萎えてしまった経験がある。
実在したメイドさんの話なんて一生知らずに過ごしていたと思う。
この本に出会えてよかった。
メイド文化について全く知らなかった。
maid。
maiden(処女、未婚の女性、乙女)から来ているそう。
変換していて知ったけど、処女って書いておとめって読むこともあるんだ。
家事使用人(かじしようにん)は他者の家庭において屋内の作業を行う職業。英語圏では Domestic worker、Domestic servant などという。中世的な召使い・家臣から近代的な労働者への過渡的な存在であり、自分の意志で主人(雇用者)を選ぶ自由を持ったが、主人と対等な人格を認められることはなく、全面的な服従を求められた。衒示的消費の典型として、中流階級の繁栄とともに多くの労働人口、特に産業革命によって伝統的家族経済が崩壊し現金収入のために労働せざるを得なくなった女性を引きつけ、19世紀末から20世紀初頭までのイギリスにおいて最大の職業集団となった。ヴィクトリア朝イギリスに通底する「家庭の天使」、「完全な淑女」といった理念を支え、リスペクタビリティやスノビズムと深く結びついていたため、ヴィクトリア朝を象徴する職業の一つといわれる。
奴隷ではないけど服従
恋愛禁止
13, 14 歳の少女が家族のもとを離れて働く
人扱いされない(名前で呼ばれない)
現代ではありえない労働環境。
でも彼女たちのエピソードを読むと、他人事ではなく思えてしまう。
彼女たち、彼らも現代で働く人たちも共感できる悩みにも苦しんでいる。
職場の人間関係
就職、転職活動
仕事を始めるのに仕事着を手に入れなければいけない
お茶会、パーティや音楽、ダンスでストレス発散するのも共感できる。
著者の久我さんも異国の地の昔の話の中でも共感できることが多くあると感じ、本書の最後の章で現代人にも通じるエピソードをまとめて紹介している。
読み終わって暗い気持ちにはなる。
けどこの本に出会えてよかった。
明日も頑張って働く。