好きが収まらなくて、体当たりしに行っちゃったときのことを、まだ考えたりしている。
色んな気持ちがあって、ずっとまとまらなかった。正直凹んでないけど、これは強烈な自己合理化なのかなって、それが怖くて、よく分からなかった。受け取りたいように受け取れば、いくらでも美しい思い出に修正出来ちゃうんだ。画角の傾きを修正して、彩度を上げて、ノイズを除去して。はい、"きれい"な写真の出来上がり。いいねが多くつくこと間違いなし!でも、それの何が嬉しいんだろう。わたしはわたしが撮ったかけがえのないあの1枚を、わたしだけでそのまま愛したい。
現実に起きることには、全てに意味があると思う。どんなことでも。神さまがわたしに教訓を与えてくれているんだって。わたしは神さまからの暗号化された教訓を受け取りたい。せっかく神さまがわたしに足りないところを教えてくれたんだ、変身できるチャンスなんだと思う。
いにすぷりの店舗がオープンして、彼は自分に会いにかけつけたおたくたちをストーリーに載せてたじゃん。きっかけはあれです。パズルの最後のピースがようやく見つかって、やっと全体図が見えました。
あれを見て、わたしはあそこに居たくないと思った。マナーうんぬんとか、そういう立派な話じゃなくてね。わたしはすごく穢れてるから、人様のことをとやかく言えるような人間ではない。むしろあの人たちは勇敢に見える。羨ましい。
「みんな」って言葉が、すごく嫌い。わたしはどうしても、大事な人の「みんな」になりたくない。どれだけ多くの人と接しても、あなたといるときは、わたしとあなたの世界だ。そうやって人と接することを、わたしなりのアイラブユーとしている。彼を近くで見ること、「みんな」になること。天秤にかけたとき、後者の方が重かった。「みんな」であることを痛感するくらいなら、彼の視界に入りたくない。彼の視界に入ることは、彼の眼中にないことをまざまざと感じさせられることだ。わざわざ出向いたりしなくてもわかる当たり前なこと。わたしはわざわざ知りたくない。アイドルは近づけば近づくほど遠く感じるってもう痛いほど知ってる。もっとこう、鈍く、観念的におたくしてたいんだ。ガチ恋、リアコ、まあなんとでも言ってくださいよん。わたしの感情に名前なんてつけられないから。
わたしは、彼がどれだけ遠くても、力技で彼を近しく感じている。彼がどれだけ速いスピードで進んでいっても、絶対にしがみついていたい。周りの人との付き合い方で悩むように、彼にも泣いて怒って笑って照れて悩んでいたい。依存は相手に迷惑をかけると知って、もうしないと決めたのに、彼にはどうしても引力があった。責任転嫁はよくないね。
大体、全部「好き」なんて嘘つきだ。そんなはずがない。「嫌い」って言う人は信頼できる。好きな人の「嫌い」が知りたい。その人の言う「好き」が本当だって思えるから。みんな大好きと言われるより、お前は無理と言われた方がよっぽど信頼できる。本心と結びついてない言葉なんてごめんだ。嘘つきはどろぼうのはじまりだよ、そうやって人の大事な気持ちを盗みとるんだ。正攻法じゃない。せこいよ。それに、空っぽなものをいっぱい貰ったって、盗んだって、ちっとも嬉しくない。いらない、そんなの。
わたしの【赤】と彼の【赤】は、違った。
彼に対して【赤】い気持ちをもやすわたしは、彼にとっては【赤】の他人だ。わたしたちはビジネスの【赤】い糸で結ばれている。【赤】は【赤】でも人それぞれに見る【赤】はな〜んだ。愛と、危険と、情熱と、警告と。
彼はわたしの(愛してる)に(愛してる)なんて返さなかった。わたしの(大好き!)を受け流した。
あの時、ほんの少しでも嘘つきだと思ったことを、謝らせて欲しい。嘘つきじゃない事だけはわかる、と言ったのは、嘘つきだと思ったから。嘘つきなのはわたしの方だった。
愛してますって、嘘じゃんって。でも当然、人は赤の他人を愛するはずがない。そういう意味で彼はちゃんと、言わなかった。(ぼくもだいすき〜)なんて、安売りしないんだよね。言葉に責任を持っていた。
「みんな大好き」と言われるより、お前は無理と言われた方がよっぽど信頼できる。
そうだ、これだ。めちゃくちゃ嬉しい。そういうことか。彼は嘘つきじゃなかった!嘘が嫌いなわたしに、彼は嘘をつかなかった。これが彼の誠実さなのかもしれない。さっぱりしている。
おかげで、大阪公演1日目でメインビューに大きく映った彼がこちらをまっっすぐ見つめて「ほんっとに愛してます」って言ったこと、あれは彼の本心だったのだと、いま強く実感している。彼は自分の価値を高めるのが上手だ。彼の輝きの価値を決めるのはカラット数じゃない。彼自身だ。やっぱり彼は、自ら光を発することのできる、唯一無二の恒星なんだと思う。
彼はわたしという小さな惑星を見てるんじゃなくて、わたしが含まれている銀河を大きく愛する人なんだ。
私が見上げる空には、おっきくて眩しい太陽がひとつ。彼が見上げる空には満天の星。
そういうことだ。
わたしには彼しかいないけど、見返りなんてなにも求めていない。でも、ああいう場所はそれを要求しに行く場だった。わたしがほしいものはこれじゃないと思った。彼の知らないところで彼の幸せになりたいのだと思う。なにも知らなくていい。
利己的で自己中なわたしがこんなにもなにも求めないなんて、なにかがおかしい。彼は本当にわたしの人生のイレギュラーなのだと思う。
きみという生きものがよくわからない わたしの図鑑には「好き」とだけ