服を買う

enshurithu
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今日は久しぶりに街へ出て百貨店に寄った。

よく服を買う店がセール中で、年末の大掃除で服をいくつか捨てたことだしと思いカットソーとワイドパンツを買った。奇をてらわない、仕事でも使えそうなスタイルのものだ。

服を買う時毎回思うことなのだが、試着をさせてもらって試着室から出て、店員さんの見ている前で自分の姿を鏡にさらすとき、どうにも面映いような気まずいような気持ちになるのはなぜなのだろう。その服が似合っているのかどうか、自分でもよくわからない時は尚更そう思う。

店員さんは、言い方は悪いが客をおだてて買う方向へ仕向けることが仕事なので、試着室から出てきた客に「ちょっと色味が似合わないですね」とか「太もものところがパツパツで太って見えますね」なんてことは絶対に言わない。たいていどんな時も「お似合いですね」か、そうでなくてもこちらを傷つけないような声がけをしてくれる。

もしかすると私は、自分のスタイルに自信がないことに加えて、自分でもいまいちだな……と思っているにもかかわらず店員さんから「お似合いですよ」などのお世辞を引き出してしまうことに申し訳なさを感じているのかもしれない。

ほかの理由として、着ている服を他人からまじまじと見られる機会が日常生活では多くないので、店員さんやその時たまたま居合わせた他の客からの視線を感じて恥ずかしい気持ちもあるだろう。他の客はともかく、店員さんはちゃんと客の姿を見てアドバイスするのが仕事なのだからこちらをまじまじと見るのは当たり前なのだが。

まあ、単に私が自意識過剰なだけだろう。

服に袖を通して試着室から出る時、なんだか自分を評価されに行くような気がして「行くぞ、えいやっ」とちょっぴり勇気を奮ってドアを開けている。

他の人は、そういうことを思ったりしないのだろうか。

もし自分の体型や顔も含めた外見に自信を持っていたら、違うのだろうか。