まえおき
KP目線でも、オススメのシナリオを紹介し合う文化が欲しくない?
シナリオって200万種類あんねん。オススメから探したほうが楽しいし、早いし、お得やん。
はじめに
自分が買って良かったと思うシナリオ「塔葬の国」を、5つの観点で紹介します。
シナリオ概要
傾向・雰囲気
魅力
購入時の内容物
所感
定量的な評価(★3つ!とか)はせず、定性的な評価として感想のみ記載します。
PLを検討している方が目を通しても問題が無いよう、ネタバレには配慮しました。
ただし、3. 以降はPL向け情報ではありません。通過予定の場合は、未読の方がより新鮮な気持ちで楽しめると思います。
1. シナリオ概要
GM一名とPL三名で遊ぶシナリオ。 "異国"への旅をしながら"異言語"や"異文化"への考察、ディスカッションを楽しみたい人向け。 戦闘有り。推理考察要素強め。NPCとの交流多め。 プレイ時間はボイスセッションで四時間程度 × 五章構成。 ※長編シナリオを、五章に区切っている構造です。同一探索者で連作のシナリオに挑むキャンペーン構造ではありませんので、ご注意ください。 シナリオ進行自体はそこまで複雑ではありませんが、NPCのロールやシナリオ内の"独自言語"の処理、それに伴う前準備が少々難しいかもしれません。
2. 傾向・雰囲気
たくさんの情報を整理して、推理・考察をするシナリオです。
情報量も単純に多いです。PL目線で言うと、長時間で情報量の多いシナリオが苦手な人や、推理・考察が "嫌い" な人は途中でしんどくなるかもしれません。KP目線では、準備の段階で異文化・異言語についても資料を読んで理解しておく必要があります。
Boothから引用
○シナリオ本文(pdfファイル) (他約33万文字)
○その他画像データ、PDFデータ(約50枚)
多くのNPCとの交流がたくさんあります。
魅力的なNPCがたくさんいます。私は全キャラ推しです。推理・考察と同じくらい、NPCとの交流も大事なシナリオです。
メリハリあります。
RPや行動の余白は多いです。それでいて、セッション中「今何ができるか、何をしなければならないか」は常に整理されています。全編通して緊張感もあるので、ダレることは少ないと思います。
暇になるPLはいないと思います。
3人固定で、通話を分ける処理も原則ないので、セッション中暇になるPLは発生しないと思います。(推理フェーズで匙を投げない限り)
エログロ、秘匿HO、PCの過去設定への干渉は無いです。
"得意な技能"さえ持っていれば継続可、探索者同士の既知問わずです。素材の味(シナリオの質)が良すぎるので、シンプルな味付けが映えます。シンプル過ぎて昨今のシナリオと比べると少し浮いている程ですが、私はそれを凄く魅力的に感じました。
3. 魅力
没入感を高める自然な出題
リアル脱出ゲーム等で、斜に構えて見れば少し浮いていると感じる出題があると思います。「ここでそんな暗号使う?」みたいなやつです。このシナリオでは、それがないです。異文化・異言語を含め、シナリオ中で推理・考察する「謎」は全て必然性を持って提示されます。
伏線・展開が計算され尽くした構成
シナリオの構成が本当に計算され尽くしていて、無駄がありません。巧みに張られた伏線が回収されて迎えるクライマックスは、取ってつけたような展開には出せない満足感・納得感があります。考えなくてはいけない謎も、NPCとの交流も、全てが繋がります。圧巻です。
4. コンテンツ(購入時の内容物)
内容物
購入したzipファイルの内容は以下でした。
シナリオ本文(PDFファイル、コピペ可)
シナリオ資料集(PDFファイル、コピペ可)
文字情報のテキストデータ(テキストファイル)
画像情報を提示するための画像データ
ココフォリアの装飾に使える部屋素材
異言語用のオリジナルフォントデータ
かなり充実していると思います。特に不便は感じませんでした。
シナリオ本文のPDFファイルはレイアウトも綺麗で、日本語もきちんとした文章になっており、とても読みやすいです。「しおり」機能が用意されており、目的の場所へジャンプできて便利でした。章ごとにファイルが分けられているため、検索性も高いです。至る所で読者への配慮を感じました。
NPCの立ち絵素材は付属していませんが、有志によるハイクリティな非公式素材がダウンロードできます。(後述)
スチルや部屋データ用のzipファイルは付属していませんので、ココフォリアを装飾するための背景画像やパネルは自前で用意する必要があります。
非公式素材
非公式のNPC用の立ち絵が2種類、有志によってBOOTHで無料公開されています。どの素材もハイクオリティです。
また、シナリオ専用のBGM素材も有志によって無料公開されています。こちらもクオリティが高く、40曲も用意されています。
5. 所感
めちゃくちゃオススメです。
内容が面白いだけじゃなく、購入者(KP)への配慮がとても丁寧です。
長時間シナリオかつ、異言語に関する勉強時間もあるので、それなりに準備が必要です。ただし、異言語の勉強をしたり、NPCの演じ方を考えたり、シーンの演出を考えたりと私にとっては楽しい時間がほとんどでした。
たくさんの情報を、どうやれば分かりやすく渡せるか工夫するのも楽しかったです。今のところココフォリアのクリックアクションを使う形式に落ち着いています。
逆に、苦しい準備の時間はほとんどありませんでした。シナリオ本文が読みやすいので、スパゲッティみたいに絡まった内容のPDFを何往復もスクロールするみたいな作業は発生しにくいです。
まだ1陣しか回していないですが、ありがたいことに2陣、3陣も予定させていただいています。このシナリオの沼にしばらく浸れそうです。
唯一の後悔は、「これ通過したかったな」です。
未通過でシナリオを買うか迷いながらここまで読んでくださった方、まだ引き返せます。
この傑作シナリオは通過することを強くお勧めします。
KP向けシナリオ紹介の末文とは思えない締め方ですね。
おわりに
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
今回の記事は、ただのファンが書いたブログとなります。何か問題がある場合や、問題はないけどシナリオ談義とかしようや!って方はDM等でご連絡いただけると幸いです。(X: @Eprnix)