どうして!!
約束したんだ!!
助けて!!助けて下さい!!
あ…ああああ
このとき
俺の世界は一度壊れた
あれから 涙が止まらない
食べ物を見ても
ポロポロポロポロ
花を見ても
ポロポロポロポロ
何を見ても
どうやらこれは【普通】ではないらしい
普通ってなんだっけ…俺の普通は…
みんながいて。笑っていて。そこにいて。
夢を見る。ああ、これが普通【だった】。
全てが【特別】になってしまった。
笑うことも。花が咲くことも。
風が吹くことさえ。
普通じゃない俺は、皆を困らせているらしい。
笑って。安心して。【普通】になるから。
【笑え】
俺が笑うと、皆ホッとした顔をする。
普通だからだ。
久しぶりに執務室に行った。ユエ様達は心配そうな顔をする。笑って。笑うから。
余計におかしな顔をされた。難しいな。
新しい守護聖が来た。カナタという、俺と同じ年の、男の子だ。泣いていた。不思議だった。
家族と離れたのが悲しいらしい。衝撃だった。他の守護聖は、皆、受け入れていたから。
そうだよね。辛いよね。そうだった。俺も、そうだった!凄い凄い。カナタは【普通】なんだ!!凄い!!
カナタの側にいたら、俺も【普通】が分かるかもしれない。
だって俺はもう泣けないから。