探検していると、途中で目的と違うものに出会ったりする。
この日もそう。
暇な春休みスイーツ男児を連れて、城のお堀の北側のスイーツを食べに来ただけだった。
というのは建前で本当は私も食べたかった。
でも広瀬絣藍染工房さんというところを通りがかり、藍染め体験と書いてあるのをみたら、子供が急にやりたいと言い出した。
「今日できるかわからないよ」と言い聞かせて、恐る恐る戸を引いて入ったら、もうそこにある藍に驚いた。
本来予約が必要なのだろうけれど、ありがたくその場で体験させてくださった。
真っ白な生地に輪ゴムを使って教えてくださったやり方で好みのデザインを作る。
子供はやりたい柄を作りながら、「次はパパと来て、違う柄をやるんだ」と既に二回目に来ることを決めていた。
まっさらな布が緑になり、空気を含んで藍色になる。
何度か繰り返して深い藍色に染まる過程を目の当たりにして、身近に感じにくい染め物の大変さと面白さを実感した。
子供は色の濃淡も考えながら、上手に染めていく。
いつもは聞いてるのか聞いてないのかわからないこともある癖に、こういう時の子供の集中力はすごい。
私なんかよりも遥かに熱心に染め方の説明を聞いて、吸収している。
染め終わり、洗って、出来たものを、意気揚々と外の光にかざして広げた子供の口をついた言葉は、
「ねえ、パパといつ来る?」
結局その週末にまた予約してパパと来た。
原料の蓼は 蓼食う虫も好き好き で、
かつてはナチュラルム○ューダとして藍の風呂敷で服を包んでいたりしたことも教えてくださった。
松江も暑くなってきて衣替えをしたばかり。
二回も行って作り過ぎた分は箪笥に閉まっておくことにした。
秋の衣替え前には大風呂敷を染めに行こう。