出雲かんべの里に行った時の話。
森でピザを焼いて、散歩をして、トンボ観察をしたが、
これでまだ終わりではない。
森より手前に工芸館なるものがあって、
工芸の職人さん方がやっている工房で、
予約すれば体験ができるのだ。
機織りを体験したことがある子供は、
何故か機織りがとても好きで、
今回も機織りをメインに来た。
工房には所狭しと機織り機があって、
私には見たことない光景だった。
なんというか、今のご時世機織り機に出会うことはそうそうない。
私が過去に出会った機織り機も、
体験のために一台置かれたものを見たことがあるだけで、
それで機織りの雰囲気を味わった気になっていた。
だが、少し時を遡るだけで日本にも機織りの場に女性が集まって服を作っていた時代があったはずだ。
これでも雰囲気を微かにしかわからないだろうが、
そんな機織り機がたくさん並ぶ場を見て、
少しだけリアリティを持って機織りに就いていた女性たちが想像できて、
印象に残る光景だった。
子供はランチョンマットを、
工房の方とたくさんの色の中から相談しながら色とりどりに織って、
満足したのかしてないのか、
「また来てお父さんとお母さんの分も作らないと!」と嬉しそうに話していた。
面白かったのが、予約の際に陶芸もやりたいか子供に聞いたら、
いらん
とぶっきらぼうに言っていたのに、
実際に機織り後にとなりに見える陶芸の工房を見たら、
「え、今日出来るかな」と急に陶芸にも興味を持ったようだった。
やはり言葉や絵では想像がつきにくい。
でも目の当たりにすると感覚的に感じるものがあってやりたがるのだろうか。
我が家にいびつな食器が増えそうな予感がしている。