宍道湖の湖畔、島根県立美術館の南側に佇む可愛らしいカフェがある。
少しある心地のいい芝生の前の小さな可愛らしい建物である。
カフェといえど、夕方しか空いてない。
夕方しか空いてないというのがいい。
夕陽を見にきた人のためのカフェである。
どうして、誰がこのようなカフェを始めたのか知らないが、
特別綺麗な夕陽を見にきた人限定で訪れることのできるお店のような気がして、
私は発想からして好きだ。
注文したドリンクのうち二つは宍道湖の夕景をイメージしたものだそうだ。
片方は宍道湖の夕陽を、
もう片方は宍道湖の夕陽が沈んだ後に見せる、空が綺麗な色合いを生み出すマジックアワーをイメージしたもの。
コーヒーなんかも売っていて、芝生でのんびり夕陽を待つのにぴったりだ。
きっと私はこれからもこちらのお店にお世話になることだろう。
店員さんによると松江の出す夕陽指数によって店のオープンを決めていると言う。
夕陽指数という初めて聞く言葉に、驚きと共にこの街のロマンを感じた。
生憎この日は夕陽が見れなかった。
四時ごろには綺麗な夕陽が見れそうな空だったのに、日没の頃には空がかげっていた。
まあそんな日もあっていい。
自分の自由になる景色じゃないからこそ、
綺麗なものを見れた時に特別嬉しいのだ。