とりあえずITかコンサルのプロジェクト系での話です。
今年も新卒が入社してきたみたいです。まだ顔見てないですけど。
あと数カ月すると研修終わって野に放たれてくるんでしょう。OJTとかいうやつがはじまります。
だいたいこの時期に繰り返す話題の1つが、「日報を書くとか意味がない」とかいう話。
だいたい典型的なパターンではOJTのメンバーにだけ書かせてる人間と、開発メンバー全員に書かせてる運用のところと、なんか前提がぜんぜん違う連中が参戦してきてわけわかんなくなって終わります。不毛だな。
「誰も読んでないから意味がない」、まあだいたい形骸化しますよね。わかります。ただし「自分は意味がない日報を書かされたことしかない」っていうのと「日報には意味がない」っていうのは違うぞ。
開発メンバー全員に、継続して、日報を書かせる、みたいな運用をしてると形骸化しがちではあります。大規模開発の開発管理側目線だとサボるやつとかやらかす人間をあぶりだしやすいので、意味はあったりします。虚無の作業ですが無意味なテキストすら提出できないやつは大体手順書の手順を端折ったり何かやらかすのでブラックリストにしておきます。
閑話休題。
新卒に日報出させる意味があるのか、という話については、これは明確に効果を出す方法があります。当然書く人間と見る人間がちゃんと意識合わせた上での話ですが。
人間の記憶というのは儚いです。特に大量に新しい情報をインプットしようとしてるときは、途中経過でがんがん消えていきます。限界近い状態でフルに頭使っててもそうなります。昨日の記憶どころか夕方あたりで今日の午前の作業の記憶があやふやだったりします。経過のメモをとり、日報の形式で途中セーブデータを作り、週報で7日分サマリさせ、月次報告でさらにサマリする、という形式で記録を取らせます。「書くこと」で記憶が整理され、経験としての定着が効率化します。
何を書くか、という話は、業務やタスクの話でもスキルの話でもいいですが、どこにフォーカスしたいのかによるかと思います。経験として定着させる=成長を目的とした場合には、あとで何を思い出したいのか、によります。
まあここまでが定番のお話で、「新卒OJTに日報を書かせる意味」について。
新卒ちゃん、だいたい配属後3カ月とか6カ月とか経過したあたりで、「自分は本当に成長してるんだろうか?」みたいな感じで悩み始めます。自分が「足りてない」ことが理解できてくる時期です。わからないことが分かってくるので悩み始めます。入ったばっかりのときは「何がわからないのかもわかってない」ので悩みません。
ここで、「前より色々できるようになってきたよ?」と言っても、「でも全然できてないし・・・自分何にもできない・・・」とかなって効果が薄いです。人間は、一度学習してしまうと「理解できてなかった時の未学習の自分」を思い出すのは困難です。
まあそういう気分なのかな?みたいな時に、「配属直後に書いたぼろ雑巾みたいな日報」を読み返してもらうと、一気に回復します。割と高い確率で羞恥で悶絶して声にならない絶叫をあげて転げまわりますが。よかったね、成長してて。