犬世良
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「気がついた?」

目の前の少女はニコリと笑う。

「ここは何処かって?そんなのどうでもいいことよ。会いたかったわ」

わたしとそっくりな顔で、わたしとは思えない笑顔をしている。

「初めまして、かしらね?それともお久しぶり?」

そういってわたしの頬に手を添える。

「ねえ、さみしいのね? あなたの大切なひとたちの見つめる先はあなたじゃないの。いつも心の中のあなたはひとりぼっち」

わたしは答えられない。それは本当のことだから。

「おんなじよ、わたしもひとりぼっち。わたしとあなた、きっといい友達になれるわ」

けらけらと笑う彼女の言葉に心が揺れる。

「ねえ、心が溶けたらわたしたち、ひとつになれるかしら?」

にこりと笑う彼女を見ると何故かぞくりと鳥肌がたった。それでもこの胸にある寂しさを埋めてもらえるなら……。そんなわたしの考えを見透かすように、もう1人のわたしはわたしの頭を抱きしめる。

「こわい?」

少女らしい柔らかい感覚。彼女の優しいぬくもりが伝わってくる。

「こんなふうに…あの子に抱きしめられたかった?」

もう1人のわたしが耳元でささやく。その言葉を聞くだけで、頭がぼんやりとしてくる。

「あ……」

もう1人のわたしはわたしのパジャマを器用に脱がすと、そのまま優しくわたしをベッドに押し倒した。

「さみしいとか、こわいとか、どうされたいとか、全部わかるわ、だって、あなたはわたしだもの」

▽みみちゃんにちょっかいかける釈迦み