ミミちゃんが不調を訴え、お仕事をお休みしてから3か月。やつれているし、症状もどんどんひどくなっているように思う。
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お〜、これはまた派手にやってますな。
部屋に入ると、ミミちゃんは部屋中の鏡やガラスを割って取り乱していた。話を聞くと「"わたし"が鏡にうつらないのよ、」と泣きだした。
「鏡が嘘をつくのよ、知らない子が映るのよ」あたしの胸でわんわんと泣きじゃくる姿は小さな子供のようだった。
ちらり、砕けた鏡のかけらに目をやるとそこには無数のあたしとミミちゃんが。少し痩せたとか髪が伸びたとかはあるけれど、昔と変わらないあたし達が居た。
(どんな時だって、ミミちゃんはあたしの知ってるミミちゃんだよ。)
喉元まで出かかった大好きな親友への言葉をぐっと堪えて、「そうですね、お嬢さん」と。幼気な少女の背中をさすって宥めてあげるのだった。
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▽自分を釈迦ミミと思い込むミミちゃん、の心がこれ以上壊れないようにアンテナ売りとして振る舞うしかないニャミちゃん。
▽アウトオブザミラーという不思議な鏡にまつわるお話と歌がありまして。