月曜日から仕事に復帰した。年末年始にまるまる4週間休んだので、クライアントさん私のことなんか忘れているかもな……と心配したけれど、ちょいキャパオーバーするくらいの量の依頼が来たので、まずはひと安心。ありがたや。
出社すればお給料が振り込まれる普通のお勤めとは違い、フリーランス稼業は仕事がもらえないと収入がゼロになってしまうので、長期休みの後はいつもドキドキする。
翻訳業界の景気が良かった頃は、子どもたちの夏休みに合わせて連続7週間休んでも平気だった。私の分野は人手不足で、仕事が途切れる心配などなかったからだ。
その後、ビバ人工知能、人間はお機械サマの訳文をポストエディットでもしておけ、というトレンドが発生し、産業翻訳ウハウハ時代は終焉を迎えたのである。

《📷 by Vitor Fontes》
AIの台頭により効率化とコスト削減に目覚めたクライアントが、翻訳にかけるバジェットを節約し始めた。私よりワード単価の低い同業者さんはたくさんいるので、いつ私が干されても不思議ではない。
ここ数年は、継続して仕事をもらえるように積極的に営業活動をするようになった。長期休暇もせいぜい10日間くらい。ホリデー先でもエージェントから急ぎのメールが来れば対応してきた。
仕事でポカミスをしたりテキトーな訳出をしたりすれば、私のキャリアなどすぐにThe Endである。だからひとつひとつ、いただいた案件には丁寧に対応する。だから、というか、それはプロとしてまあ当たり前のことなのだけど。
昨年秋に母が倒れ日本に単身で緊急帰国した時も、PCを持参し、いつも通り仕事を続けた。繁忙期で休めなかったというのもある。
もっと家族に寄り添うべきだったのに、私はずっと仕事をしていた。ヨーロッパのクライアントのタイムゾーンに合わせて、夜中まで働いた。後半は身も心もぼろぼろ、病院で母と面会している時も締切のことばかり考えるようになり、あの時の自分は、何のために遠く日本までやってきたのか渡航の理由を見失いかけていた。
とうとう限界を感じ、プロジェクトマネジャーに正直に事情を話してやりかけの仕事を他の翻訳者さんに引き継ぎ、すべての新規案件をお断りした。
皆さんの協力のおかげで、英国に発つまでの残りの日々を、日本の家族と共にゆっくりと過ごすことができた⇦その節はありがとうございました。
同じ過ちを繰り返さないように、今回の日本滞在については事前に関係者にスケジュールを知らせ、まるまる休むことにした。
仕事から離れて一度リセットするのもたまにはいいだろう。クライアントが離れてしまったらそれはそれでいいと割り切ることにした。
勇気のいる決断だったけれど、家族との時間を優先したかった。
二度と会えない人もいるかもしれない。大切な人が明日も元気でいてくれるとは限らない。海外在住だからこの先会える機会も限られている。
本当に今やるべきことは何なのか、後悔しないためにやっておくべきことは何なのか。優先順位づけって大切。◼️