魔法が暴発したとき

eutrema
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エヴァンは元々エーテルの扱いに長けていて魔導士の方が適性のある設定です

彼があえて近接ジョブを選んでいるのは理由があります

まずは過去の話を──

幼い頃に魔法を暴発させて兄を傷つけたことがあります。それは剣の稽古をしてる時のこと。

兄は優秀なナイトで、非常に厳しくエヴァンに稽古をつけます。ある日のこと、いつものように厳しい稽古が始まりますが、持久力のないエヴァンはうまく立ち回れません。徐々に構えは崩れ、剣を躱すのがやっとです。それに苛立った兄の剣が迫ります。

エヴァンは身を守るために、本で読んだ魔法を使ってしまいました。しかし彼はまだエーテルの適切な扱い方がわかっていませんでした。感覚だけで魔法を使ったのです。

予想外の威力で放たれたそれは、兄を襲いました。危機一髪、剣で防ぎましたが頬や額に切り傷を負います。エヴァン自身も衝撃で吹き飛んでいました。兄は怪我をしつつも立ち上がり、状況を把握します。稽古場の足元は焼けこげて一部破壊されています。おそらく炎の魔法を使ったことはわかりますが、幼少期で放てるレベルの魔法ではありません。

おそらくエヴァンは生まれつきエーテルの扱いに長けていて、本で読んだ魔法を見よう見まねで放ったのだと兄は推測しました。普通なら子どもの少ないエーテル量では放てないような魔法を、集中力によってエーテル練度を高め、身を守るための瞬発力で放ったと。

実はエヴァンが魔法を放つ前、兄はエヴァンがこちらを睨む目に少し驚きました。

いつもなら見せないような、非常に鋭い目つき。エーテルを纏っているのがわかったためです。おそらくあの時、集中力を高め、魔法を唱えていたのでしょう。

エヴァンに非常に高い魔法適性があると見た兄は、魔導士として蒼天騎士団への入団を勧めるようになります。実力重視のあの騎士団に入れることは非常に名誉なことであるためです。

しかしエヴァンは騎士団として戦うことを、それほど魅力的だと感じていませんでした。そもそも彼は剣の稽古が嫌いでした。また蒼天騎士団は力で捻じ伏せるような騎士団といった印象があったため、エヴァンはむしろ嫌悪感を感じていたのでした。さすがにそれは口外出来ませんでしたが、とにかく兄からの誘いを拒み続け、ついに魔法を使うことすら避けるようになってしまうのでした。

現在はさまざまなジョブを扱っていますが…さて…いつからまた魔法を使うようになるのでしょうか、そのうち書きたいと思います

@eutrema
設定とか思いついたことをだらだらと書き綴っています。