The Bullet That Missed:A Thursday Murder Club Mysteryを読んだ感想文

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A Thursday Murder Club Mysteryの3作目The Bullet That Missedを読み終えた。このシリーズは、英国のイングランド、ケント州にある老人ホーム、Cooper Chaseで暮らす4人の高齢者たちが「Thursday Murder Club」を結成し、未解決事件に挑んでいく。年齢を感じさせないほどの元気さと、それぞれが元スパイ、元看護師、元精神科医、元組合リーダーという、驚くべき経歴を持っている。特に、元看護師のJoyceはシリーズを通じて私のお気に入りキャラクターで、彼女の日記を通して語られる物語は、彼女の温かみのある視点とユーモアに満ちており、読んでいて心が和む。

ここ最近はSUCCESSIONやOrange is the New Blackなど、社会の暗部を描いたドラマを観ていたので、このシリーズの穏やかさが心地良かった。確かに「A Thursday Murder Club Mystery」も殺人事件を扱っており、その意味では穏やかではないが、彼らのユニークでユーモア溢れるキャラクターはシリーズの大きな魅力の一つである。

「The Bullet That Missed」では、10年前にテレビ司会者として活躍していたBethany Waitesの不可解な死が扱われる。この事件は、長年解決されずにいたが、Thursday Murder Clubが新たな視点で調査を進め、徐々に謎を解き明かしていく。シリーズが進むにつれてストーリーはますます面白くなっていると評価されることが多いが、個人的には第2作「The Man Who Died Twice」の方が好みだった。エリザベスの過去のスパイとしての経歴や、最後のどんでん返しには特に魅了された。それに比べると、「The Bullet That Missed」ではキャラクターが多いものの、大きな出来事が少なく、終盤の50ページに至るまで少々退屈を感じる場面もあった。それでも、ラストに向けての衝撃的な展開や次回作への期待感は、やはりこのシリーズの面白さを表しているなと思った。そして、シリーズを通じてのユーモア溢れる台詞や温かなキャラクター描写には、常に癒されるものがある。

Thursday Murder Clubの4人がどのような事件に挑んでいくのか、そして彼らの友情がどのように展開していくのか、次回作も引き続き楽しみにしている。