久々の更新になってしまった。読書自体は毎日続けているが和書も読んだり他の本と同時進行しているのもあって、一冊を読み終わるのに時間が掛かってしまうという現象が起こっている。洋書はセール時に買い溜めしていたらついに積読が60冊近くなってしまったのでそろそろまとまった時間を取って消化する必要がある。
Sadeqa JohnsonのThe House of Eveは1950年代のアメリカを舞台に黒人女性RubyとEleanorの二人の視点で物語が繰り広げられていく。各章で視点が切り替わるスタイルが、ストーリーの流れを追いやすくしているため、Audibleでも内容を把握しやすかった。
当時の望まない妊娠に対する女性の辛さが伝わってきたが、現代でも何一つ変わってはいないのではないかと思い呆れてしまった。また、Small Things Like Theseでも取り上げられていた修道女での体験もこの本には含まれているので、未婚で妊娠してしまうことを罪であるという認識を女性だけに植え付けているのも不思議で仕方なかった。いかにも一人で妊娠したかのような言い草である。
内容自体はとても良かったが安易に想像がしやすく、また同時にA Little Lifeを読んでいたせいでそっちの強烈さに奪われてしまい、少し退屈に感じた部分もあった。そもそも自分は恋愛や結婚に興味が薄いのでそれもあるのかもしれない。
それでも当時の人種や性差別に関して二人の異なる状況を通して、深く考えさせられる作品であったことは間違いないので読んで良かったなと思った。読みやすいので洋書多読初心者にもお勧めしたい。