Poor Thingsを読んだ感想文

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Alasdair GrayのPoor Thingsを読了した。

元々映画を観て衝撃を受けて原作も読んでみたいと思ったのが始まり。最近オッペンハイマー、三体、哀れなるものたちで原作ならではの素晴らしさを感じるので好きな作品の原作は積極的に読んでいこうと思っている。

そしてこれは翻訳版も出てるので深く理解したいと思いそちらも読了した。どちらも映画ポスター仕様に変わっていておしゃれ。

「哀れなるものたち」のあらすじは、自殺した主人公ベラが風変わりな医者ゴッドによって、胎児の脳に移植されることで生き返るという奇想天外な話。見た目は大人、中身は子供という名探偵コナンの逆バージョンという感じ。そんな純粋な彼女が旅をするにつれて女性としての生き辛さや世の中の闇について知っていく。また主人公のベラは性に対して割とオープンでそういった見せ方も女性のステレオタイプに対するアンチテーゼのように感じ取れた。

映画で内容は知っていたけど正直洋書だけだと英語学習者には難しく感じた。そもそも主人公ベラが成長過程でベラ自体の話す言葉に間違いがあったり、そもそもそれは間違いなのか、知らない単語なのか混乱することもあった。それに宗教や政治、哲学な難しい内容も含まれているので、そこら辺は翻訳本でだいぶ助けられたなと思った。

映画と小説で多少違いはあったけれでも彼女が世界の闇を知りどうしたら良くなるのか考えるシーンは小説の方がより詳細でとても良かった。

私は悲観的だがどうしたら世界は良くなるのかを考えるくらいには希望も忘れていない人間(MBTIは断然INFJ)なので、彼女の世の中に対して考え尽くして自分ができることを全うする部分には非常に心が動かされた。

ラストには主人公のベラをモデルとした本人の手紙も記されており、映画だけでは知り得なかった内容もあったので、もし映画を気に入った方にはおすすめしたい一冊だった。