Tiffany McDaniel著者のBETTYを読了したので感想を書いていく。
450ページ越えの長編大作だったので途中飽きないか心配だったけどチャプター毎の内容が毎回衝撃的でこの悲しみや怒りの感情をどこにぶつけたら良いんだと思うような気持ちになりっぱなしだった。そして気づいたら読了していた。
この物語は、アメリカ先住民チェロキー族の父親Landonと白人の母親Alkaの間に生まれたBetty Carpenterの成長と家族を描いている。1960年代のアメリカ、オハイオ州の田舎を舞台にしたこの物語は、著者の母親の生い立ちをインスピレーションして書かれたとのこと。Bettyを通して目撃する人種差別や性差別、虐待の描写は、読者にとって非常に辛く、心を痛めるものでもあった。しかし、その一方で、自然を愛するチェロキー族の美しい描写や家族を大事にする温かみもあり、物語全体を通じて愛と痛みが密接に結びついている家族のリアルな描写が印象的だった。
そしてこの著者が痛みや愛、自然の美しさを、読者が目の前で見ているかのように感じられるほど鮮やかに描写しており、その文体は詩的でとても美しかったのでいくつかのハイライトを紹介したい。
繊細で複雑な家族の形を描きながらも壮大な自然美や社会的に蔓延する差別も含まれた作品だった。豊かな文体と詩的な表現をぜひ色んな人に味わってもらいたい一冊。