A Little Lifeを読んだ感想文

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Hanya YanagiharaのA Little Lifeを読了した。

これは読む前から色んなBookTuberやBookTokの間で度々取り上げられていて、一体どんな本なんだと興味があった。

Celebrityの間でもこの本を好きになる人は多く、Dua Lipaもその一人である。

内容はNYに暮らすJude,Malcolm,JB,Willemの友情物語になるのだが、もはや友情というよりかは愛。Netflixドラマのハートストッパーを100倍辛くした感じ。個人的にあらすじは知らずに読むのをお勧めできるくらいこの作品のキャラクターはとても丁寧で繊細に描かれている。ただ時系列が未来や過去を行き来したりキャラクター毎にチャプターで分けている訳でもないので洋書多読初心者には難しく感じるかもしれない。でもその著者の流れるような文章と構成が没入感を与えてぐんぐん読むことができ、800ページほどの長編だが一気に200ページ進んでいたなんてことがあった。

あととりあえず辛い。ほんとに辛い。もうまぢで辛い。ずっと辛い。心のHPが削られていくのを感じ、何度読むのを中断して深呼吸したかわからない。読み終わった後は軽く放心状態になった。私は特に共感性が強いので拷問にすら感じた。それなのに読むのが止まらなくなる中毒性もあった。

でもこれこそが物語を本で読む醍醐味だなと再認識できた。多くの人が読書は知識を増やす手段と考えがちだし、私自身それを目的とした読書もあるが、こうやって物語の世界に没頭し、そのキャラクターたちを通して共感し、感情を揺さぶれ、色んな考えを吸収する。そして文字だけで読み手の感情を揺さぶるほどに表現ができる作家の凄さに圧倒される。

そしてこれがドラマ化された場合に誰が演じるかというGQの記事があったのだが、Jude役がRami Malekなのはめちゃくちゃ同意してしまったし、自分もRami Malekをイメージしながら読んでいた。

久々に圧倒されるほどの素晴らしい作品に出会えたので他の人にもぜひ勧めたいが、メンタルの調子が良い時に読むのがいいかもしれない。