カメラにばっちり抜かれた自パート歌唱中のCHISAさんを、会場の大きなモニターで何度も間近に見られて嬉しかった。強烈な目力とまっすぐでよく伸びる声の印象は今まで画面越しに見てきたそのままだけど、線の細い体と有り余るタフさは、直接間近で見ることでより強く感じられた。
A6ブロック16列5番。当たっただけでもすごいのに、何だったんでしょうかこの席番号は。もう2度とないだろうな。パフォーマンス中のセンターステージはほとんどが後ろ姿だったけど、前述のカメラがとてもいいお仕事をしてくれていたし、照明などの演出もとても綺麗で、会場が本当に一体になっていたので「何かを見逃している」感が全くなかった。
惜しむらくは、ギャーギャーワーワー言っていたらすぐ終わってしまい、パフォーマンスに「浸る」時間がなかったこと。しっとり聞かせる曲調の曲がないので、全編がお祭り騒ぎになっても今は仕方ないし、すごく楽しかったからいいんだけど。今後、メンバーそれぞれの技術で会場を圧倒し黙らせるような、固唾を飲んで鳥肌立たせながら見守れるような、そんな場面もあるといいな。
JURINはステージ全体の引き締め役で、そこにいるだけで安定感とまとまりを生み出している感じがさすがのリーダー、の一言だった。セットが緩めの髪を綺麗に乱しながら踊り、どの瞬間を切り取っても完璧で隙がなかった。
HINATAはショーケース前後で一番印象が変わらなかった。大きな目が印象的で、くせが強めのスタイリングが面白いほどに似合い、モニターに映ると楽しそうにニコニコしているけどダンスはどっしりと安定感があって、歌声もぶれることなく聞かせていた。コメントの時は緊張しているのかな?いやこれがいつも通りかな?と安定のひなちゃんらしさで、やっぱりまっすぐな子だなと思った。
HARVEYはなんかすごかった。「こんにちわたがし~!」ってダジャレ、今からダジャレ言うから笑ってね!みたいな気負いが全くなく、かわいくてなんなら一周回っておしゃれで、HARVEYという人間から発される言葉はどんなにくだらなくてもなぜか品があり、独特の雰囲気をまとってHARVEYブランドになるんだなとすごく感心してしまった。リスペクト元であるCHISAは「こんばんわんこそば~!」と律儀に夜挨拶バージョンにしていたのに「こんにちは」のまま言ってしまうところも、HARVEYはゴーイングマイウェイなのにそれが正解と思わせるような凄みがあった。コメントで選ぶ言葉、ラップ、ダンスは全てにおいて「HARVEYブランド」であることを、直接見たことでより一層実感した。上手なことは前提として、ですよ。
JURIAはHINATAとは逆に、最も印象が変わったメンバー。素直でちょっとシャイで笑顔がとにかくかわいい子、なのだが、その印象がすさまじく強くなった。本当に、笑顔がかわいい。ずっと笑っていてほしい。でもステージでは曲によってはがらりと印象を変えて、しっとり歌うしフェイクも綺麗に決める。モニターに映るとニコッと笑う。JURIAは目を離したくないメンバー1位になったかもしれない。
MAYAはステージ映えがすごい。手足が長くて、かっこいい。ニコニコ笑いながら手を振ってくれるし、歩く姿がとにかく素敵。くしゃっとした笑顔で見ている人の心をつかむというイメージはショーケース前と変わらないけど、「映像で見ていたあの笑顔だ~!」ととても嬉しくなった。ラップやダンスも堂々と通常運転で、与える印象はHINATAとは少し違うけど、同じくらい「根っこ感」があった。
COCONA、前世で哲学者や詩人を経て、何度目かの人生の今、アイドル・アーティストをやっているとしか思えない。精神年齢が確実に私より高い。もちろんパフォーマンスはかっこいい。なんだか一番怖い子です。