先週末、妻と2人で広島に旅行した。
3日間の旅行で、最終日はしまなみ海道をサイクリングした。
ロードバイクに乗るのは初めてだ。
見るからにお尻が痛そうだし、バランスを取るのも大変そうに見える。不安だ。
実際に乗ってみると、やっぱりお尻が痛いしバランスが悪い。
しかしそれなりのお金を払って一日借りたのだから、諦めて走るしかない。
瀬戸田港から出発し、最初はおっかなびっくり走った。
その日はものすごく良い天気で景色も抜群だったが、そんなことを気にする余裕などない。
変なところに力が入って、背中がつりそうだ。
バス停を見つけるたびに休憩して、進みはあまりよろしくなかった。
様子が変わったのは大きな橋が見えてきたあたりだ。多々羅大橋といった。
徐々に慣れて楽しむ余裕が出てきた。
ロードバイクという乗り物は思いのほかアドリブ性が高い。
勾配に従ってギアを変える。
小さなギアに変えれば坂道も楽々だが、そのぶん進みが遅い。大きなギアはその反対。スピードは出るが脚にくる。ギアを大小に切り替えながら、漕ぎ続けられるギリギリを模索しながら走っていく。
また、疲れに応じて筋肉の使い方を変える。
内転筋が疲れてきたら脚を少し開いて、大腿四頭筋に頼る。四頭が疲れてきたらまた内転筋。行ったり来たり、負荷をローテーションすれば長く走ることができる。
自重をバランスさせるのも大事らしい。
上体の重さが肩にかかりすぎないよう、背すじを伸ばした。また、お尻が痛くなったらペダルやハンドルに重さを逃がした。どのように体重を支えるかずっと試行錯誤していた。
結局、休憩を挟みながらも30kmを走破してしまった。4時間半かかったが、あっという間だった。
心地よい疲労感だ。瀬戸田のレモネードがよく沁みた。
身体をコントロールしながら、自分の力で旅するのには独特の高揚感があった。
これに加えて愛車をカスタムできるのだ。確かにそれはハマる。
路上のロードバイカーに迷惑の視線を向けることもあるが、彼らの気持ちが少し理解できた。
きっとラジオを聴きながら走るのは最高なんだろう。
東京近郊にロードバイクをレンタルして走れる場所があるらしい。また走ってみたい。
次こそはお尻が死にませんように。