ロードバイクの趣

expajp
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公開:2025/3/26

先週末、妻と2人で広島に旅行した。

3日間の旅行で、最終日はしまなみ海道をサイクリングした。

ロードバイクに乗るのは初めてだ。

見るからにお尻が痛そうだし、バランスを取るのも大変そうに見える。不安だ。

実際に乗ってみると、やっぱりお尻が痛いしバランスが悪い。

しかしそれなりのお金を払って一日借りたのだから、諦めて走るしかない。

瀬戸田港から出発し、最初はおっかなびっくり走った。

その日はものすごく良い天気で景色も抜群だったが、そんなことを気にする余裕などない。

変なところに力が入って、背中がつりそうだ。

バス停を見つけるたびに休憩して、進みはあまりよろしくなかった。

様子が変わったのは大きな橋が見えてきたあたりだ。多々羅大橋といった。

徐々に慣れて楽しむ余裕が出てきた。

ロードバイクという乗り物は思いのほかアドリブ性が高い。

勾配に従ってギアを変える。

小さなギアに変えれば坂道も楽々だが、そのぶん進みが遅い。大きなギアはその反対。スピードは出るが脚にくる。ギアを大小に切り替えながら、漕ぎ続けられるギリギリを模索しながら走っていく。

また、疲れに応じて筋肉の使い方を変える。

内転筋が疲れてきたら脚を少し開いて、大腿四頭筋に頼る。四頭が疲れてきたらまた内転筋。行ったり来たり、負荷をローテーションすれば長く走ることができる。

自重をバランスさせるのも大事らしい。

上体の重さが肩にかかりすぎないよう、背すじを伸ばした。また、お尻が痛くなったらペダルやハンドルに重さを逃がした。どのように体重を支えるかずっと試行錯誤していた。

結局、休憩を挟みながらも30kmを走破してしまった。4時間半かかったが、あっという間だった。

心地よい疲労感だ。瀬戸田のレモネードがよく沁みた。

身体をコントロールしながら、自分の力で旅するのには独特の高揚感があった。

これに加えて愛車をカスタムできるのだ。確かにそれはハマる。

路上のロードバイカーに迷惑の視線を向けることもあるが、彼らの気持ちが少し理解できた。

きっとラジオを聴きながら走るのは最高なんだろう。

東京近郊にロードバイクをレンタルして走れる場所があるらしい。また走ってみたい。

次こそはお尻が死にませんように。