鳥の翼も昆虫の翅も、空中を飛翔するための身体の器官ですよね。全く違う生き物でも、役割が同じ器官があるって不思議ですよね。
生物分類の話もいずれ書きたいと思っていますが、色々端折って説明すると、鳥は脊索動物門の鳥綱に分類され、昆虫は節足動物門の昆虫鋼に分類されます。これが何を示しているかというと、種どころかそれよりもずっと上位の概念である門レベルで異なる生き物であるということです。
生命の起源が単一だという説(コモノートなどの存在)を前提にすると、進化の過程やその結果が全く異なるとしても、みんなみんな生きているんだ友達なんだという気もしますが、そこから何億年かかけて進化してきた訳ですから、生きているからということだけで一緒くたにはできません。
少し話がそれましたので、話題を戻します。全く異なる進化の過程を経ているにも関わらず、同じような形で同じような役割を持った器官を持つような進化を収斂進化(しゅうれんしんか)といいます。
収斂進化では、先に説明した通り、由来の異なる同一目的の器官が見られます。それを相似器官といいます。先に紹介した昆虫の翅は、身体を形づくる外骨格のひとつである背板由来であるとされますが、鳥の翼は前脚に由来します。他の例としては、魚の鱗と爬虫類の鱗がありますが、前者は真皮由来、後者は表皮由来であるとされています。
同じような器官を持って同じような動きをしていても、実は全く異なる生き物である、なんてことが分かっていただけたかと思います。
さらに、こちらは収斂進化と言っていいのか分かりませんが、住んでいる場所まで似ているケースもあります。イルカとサメ、メダカとカダヤシなんかが例として挙げられるでしょう。カダヤシの話はいずれ別途書きたいと思います。
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生物の分類について具体的なエピソードも添えて分かりやすく解説して下さっていて、とても読みやすく、内容も興味深いです。新書なのでお値段的にもボリューム的にも手が出しやすいと思いますので、生き物の分類に興味がある方は、ぜひご一読ください。