鬱や適応障害は、well-beingを再発見するチャンス

familymedicine
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50歳スペイン人男性、過労を背景としてうつ病発症して、通院中。

発症前は、元々完璧主義的性格で、スペインの会社の日本支部の社長。時差のこともありスペインの時間に合わせて夜中も仕事するやうな生活。発症後に休職し療養することで、うつの症状(思考のまとまりのなさ、焦燥感など)は改善。

仕事を再開するも、プレッシャーがかかると不安や焦燥感が再発すると相談あり。仕事はそんなんだけど、でも今は『幸せ』を感じている!!と。

これまでは仕事人間で、失敗なんて許せない自分がいたが、病気になって自分はスーパーマンじゃ無いと気づけたので多少のミスは仕方ないと思えるようになった。また家族との時間や旅行が幸せだったことに気づかされた。今は家族との時間が取れているから『幸せ』なんですと。

バイオメディカルな視点からは焦燥感など残存しているところからcureしていないが、新しいwell-beingをみつけ、healingは起こっているのであった。

『鬱になり自分の幸せに気づけた』この男性の語りは大きな学びになった。一方で、この男性のレジリエンスの高さに驚かされた。レジリエンスに応じて、医療者が新しいwell-beingを見つける支えをする事がhealingを促すのかもしれない。

@familymedicine
新家庭医療専門医/総合診療医. 特にHealing・医療者患者関係・メンタルヘルス・思春期・卒後教育に興味あり.