思春期患者の怒り『理解されていない!!!』

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愛着障害を抱え、小学校から不登校を繰り返している女子。母親はアルコール依存、両親は離婚。児童相談所に保護後、保護施設で首を絞める行為あり入院。

入院後、精神安定。首を絞める行為はアピールのためにやったと訴えた。退院に向けて調整中である中、4人床では居心地が悪いので、個室に移動させてくれと、要求あり。首を絞める行為のある患者は、安全管理上、個室ではみられないので移動はできないと話すと、『あれはアピールでやったって言ったじゃん!!何にも信用できない、そしたらまた首絞めてやる!もう何も信用できない、薬も飲まない』と激怒。

患者から怒りを向けられるという経験はそう多くはなかった。ゆっくり話を聞く中でクールダウンしていき怒りの原因を聞いていくと『理解されていないと思った』ことが怒りの原因であるようだった。(患者のトラウマのトリガーが『理解されていないこと』だったかもしれない。)

思春期において『理解されていない』と感じることに対して何故強い怒りを感じるのかをAIに聞いてみると

・思春期の小児は身体的、心理的な変化が著しく、自己のアイデンティティを見つけようとする時期です。社会的な比較や他者との関係が重要になり、自分自身を理解してもらいたい欲求が強まります。この時期には、他者が自分を理解してくれないと感じると、自分のアイデンティティや存在価値に対する不安や不満が表面化しやすくなります。他者とのコミュニケーションが円滑でない場合、思春期の小児は感情の表現が急激に変動し、怒りや反抗心が顕著になることがあります。これは成熟の過程であり、自分を理解してもらうことで他者とのつながりを感じ、安心感や自己肯定感が高まることが期待されます。保護者や教育者は、感情やアイデンティティの発展をサポートし、コミュニケーションの重要性を理解することが重要です。

なるほど、思春期は他者との関係の中で自分を見つけようととしていている分、他者との関係を大人より大事に思っているのかもしれない。そんな大事な関係性の中で理解されてないと感じると、相手に理解してもらいたいという欲求が怒りに変わり、激昂するのだろうか。

思春期に対しては、常にあなたのことを知りたいというメッセージを伝え続けるようになりたい。

@familymedicine
新家庭医療専門医/総合診療医. 特にHealing・医療者患者関係・メンタルヘルス・思春期・卒後教育に興味あり.