通勤中にときどき目につくサイネージに海外旅行の広告が出ている。クアラルンプールの旅、3泊5日、〇〇円。
どういうことなんだろうと見るたびに思う。3回宿泊する5日間の旅行。数が合わない。どこかで徹夜するんだろうか。そういうことじゃないんだろうな、とは思っている。たぶん往復の飛行機に乗っているうちに、時差の具合もあってちょうど宿泊をスキップしたようなことが起こるんだろう。泊という字を使うのはホテルや旅館に泊まったときだけというルールがあるのかもしれない。でもそれなら夜行バスや寝台列車をつかった国内旅行にも適用されるはずで、それならそういうルールはないのかもしれないと思う。わからない。
クアラルンプールってどこなんだっけ、と思う。なんとなくシンガポールのような気がしていて、でもシンガポールにはシンガポールしかなかった気がする。東南アジアだろうなと思っている。中東かもしれないけど渡航のリスクが高そうで旅行プランの広告は出ないだろうなと思う。だからたぶんマレーシアとかインドネシアとかそのあたりで、たぶんそのあたりのエリアはまだ日本から旅行に行っても物価が安く感じられるんじゃないのかなとも思う。そういえば別のサイネージでもたまに海外旅行の広告を見るけど、アメリカやヨーロッパではなかったような気がする。物価が高い。お金がない。外国からの旅行客はいつもたくさん歩いている。大阪なんて面白い旅行先なんだろうかと思う。3周目くらいの旅行先じゃないのかなと思う。
クアラルンプールって時差あるのかなと思う。そんなに遠くないんじゃないかなと思う。海外旅行には1度しか行ったことがなくて、飛行機に乗ったこともそんなになくて、でも大阪から台湾や香港あたりまでは3時間くらいで行けるんだろうから、クアラルンプールだって遠くないだろう。機中泊が発生するような距離なのかな。時差ボケするような距離なのかな。ぜんぜんわからないけど、なんか違う気がする。旭川から那覇に行くくらいの感じなんじゃないのかな。それで3泊5日になるんだろうか。わからない。
何十年も前に、同じことを疑問に感じた記憶はある。いつ、どんなときだったのかは忘れたけど、3泊5日ってどういうことなんだろうと思ったことを覚えている。そのときは4泊6日とかだったかもしれない。じゃあすごい高速で日付変更線を逆に行けたら3泊3日とかもあるのかな、片道じゃなくて往復するから日付変更線の向きはどっちでも同じなんじゃないか、とかそのあたりまで考えたような記憶もある。父親とかと話したのかもしれない。知り合いがハワイ旅行にでも行ったときなのかもしれない。覚えていない。
ハワイとか行かないんだろうなと思う。海外旅行には1度しか行ったことがなくて、今後も行く気がしない。そんな仕事をこれからする可能性はあまりないし、そんなにお金の余裕ができる気もしない。海外で行ってみたい場所はそんなにないし、日本国内にも行ってみたいけど行かずに終わりそうな場所はたくさんあって、そんなことを考えているうちに機会は失われていくんだろうなとか、そんなことを思う。
クアラルンプール3泊5日と書かれているのを通勤中に見かけて、なんとなくそんなことを思う。クアラルンプールには行かないし、旅行の日程もわからない。思ったことは思っただけで、会社に着く前には消えていて、また別の日に同じ場所で同じ文字列を見つけて、またぼんやりと思ったりする。だから消えていかないように書いてみる。意味はあまりないけれど書いておく。