数日前からポケモンスリープを始めた。さすがに「いまさら」だ。いろいろな人がやっているのはBlueskyでも見かけていたが、自分でやろうとは思っていなかった。わたしはゲームとしてもテレビアニメとしてもポケモンには触れたことがなくて、ポケモンスリープにも関心がなかった。
スマホゲームやソーシャルゲームもほとんどやったことがない。Pokemon GOはすこし遊んだけれど、Ingressの方がおもしろかったなと思ったとたんにやめてしまった。メギド72も続かなかった。艦これが流行ったときにしばらく遊んだけれど、有名なゲームはそのくらいか。FGOも知らないしアイドルマスターも知らない。ツムツムもパズドラもやったことがない。ガチャを引いたことがない。画像データや音声データを収集する楽しみにあまり慣れていない。
ポケモンスリープは日々の睡眠ログを記録することで健康改善などにつながるヘルスケアアプリだけれど、ゲームに慣れていないわたしにとっては、けっこうちゃんと「ゲーム」だ。ゲームの成分が多すぎる。要求される作業はずいぶん多く、それに対する報酬はそれほど多くない。カビゴンのレベルが上ったらちょっと嬉しいけれど、それだけだ。ピカチュウたちはかわいい。でもそれだけだ。育成しようとかレベルを上げようとか思わないし、それ以前に要素が多くて何をしたらいいのかわからない。飴とかサブレとか出てくるけどなんなの。わたしは睡眠記録を取りたいんだけどな。
たぶんわたしはかなりスマホゲームに慣れていない人間で、でも、世の中にはスマホゲームプレイヤーの方がずっと多い。ポケモンスリープはその大多数に向けてデザインされていて、わたしのためのアプリではないのかもしれない。
それは、ちょっと怖いなと思う。だって、世の中のいろいろなことはゲーミフィケイトされているはずだから。
いま、PayPayで支払いをするとスクラッチカードが画面に表示される。画面をタップしてスクラッチカードを擬似的に削って、くじが当たるとポイント還元が受けられる。これもゲームだ。画面をタップしなければポイント還元はない。
多くの人が慣れていることにあわせて新しいものがつくられるとき、少数派は置いていかれることになる。それはあらゆる場面で起こり、問題になっていることだ。わたしにとってはゲーミフィケーションの分野でそれが起こっている。スマホゲームを知らないわたしは、これから登場するいろいろなものに「ついていけない」と感じるのかもしれない。ちょっと困るし、ちょっと怖い。