株価の好調に伴い、金融資産総額が上がっている。上がったものはいずれ下がる時が来るので、一喜一憂しすぎることはないが、それでもFI(経済的自立)に向けた目標資産額にグッと近づくタイミングは嬉しいものだ。資本の増加率は「労働資本<金融資本」であることを実感する瞬間でもある。
これまで自分が稼いできたお金のうち、一番大きな額を使ったのは、実家の家のローンの一部を肩代わりしたときだ。もしこの額をそのまま投資に当てられていたら、今の時期にFIをほぼ達成できていた。実家のためにお金を使うのは自分にとって優先度が高く、後悔は1つもない。ふと、思い出しただけだ。
FIのための目標資産額は、投資を始めた7年ほど前ははるか遠くにあり、手が届かないように思えた。地道にバイアンドホールドを継続した今、目標に手が届くぐらいの地点まで来れた。目標に近づくプロセスを楽しみながら、時に苦しみながら、投資を継続できた。このプロセス自体が自分にとって変え難い経験であることは間違いない。
これまでの道のりで手に入れたのは、身の丈にあった生活を続けること、余計なものは買わないこと、貯蓄率50%以上を保つこと、といったところ。この生活様式や生活基盤は、7年かけて磨き上げてきたともいえる。ちょっとやそっとじゃ崩れない。贅沢はしない。かといって過度な節約をするでもない。一定のリスクはとりながらも、極めて心地よいお金の使い方と投資ができている。
目標資産額が現実的なものになりつつある今、頭によぎるのは「お金の減らし方」である。今の生活を続けている限り、大きな出費があるとすれば、家を買うか、両親の介護ぐらいである。もし必要になれば、そのお金は惜しげもなく使うつもりだ。人生における大事な選択をする際に、お金が原因で意思決定が鈍るのは避けたい。人生の選択肢を増やすために、貯蓄投資を続けてきたとも言える。
ただ、もし上記のような大きな出費がなく、かつ働き続けることを選ぶ場合は、お金がそんなに減らない気がしている。過度な贅沢や節制がない今の生活を続けるなら、多くのお金は必要ないのかもしれない。
理想はDIE with Zeroである。ここにいかに到達するか。そのためには、有益なお金はどんどん使う姿勢が求められる。ただ、自分はお金を使うことが苦手である。FIを達成した後はなおさら避けられないテーマになることは明白だ。今からしっかりお金を使うことの青写真を描いておきたい。