大災害が起きると、どこに募金先するかについて毎回「中抜き」という言葉が出る。
一方、ストレートでわかりやすいのが「被災地の自治体への直接の寄付」である。
県の銀行口座が公表されると、「中抜きが心配な人はこちらへ」「こちらなら直接支援できます」といった言葉で、すごい勢いでSNSで拡散される。
「怪しい団体でないことが明白で考える手間が省けるし詐欺被害も防げる」という意味でとても有意義な情報だけど、地方自治体の口座に振り込むことでスピーディーに直接支援できると考えている人もかなり多い印象を受ける。
後者に関して言えば、非常時の役所で稟議を通すのがスピーディーなはずがないし、そもそも各自治体に使途を委ねれば横領や不正利用が横行するのは目に見えている。中抜きどころの話ではない。
「直接」という言葉のわかりやすい魅力と「中抜き」という言葉のわかりやすい悪印象に飛びつきすぎなのは怖いな、と自戒を込めて思う。
※自治体の口座に振り込まれた義援金は、日赤や赤い羽根と同じように各県の配分委員会に送られます。