わたしは老後が確実に来るとは思っていない。
いつ何があるかわからないので、いわゆる「老後の楽しみ」という発想はなく、やりたいことはできるだけ早くやりたい。なんなら今やる、という感じで生きている。
とはいえ、40代も後半、老後の計画もそろそろ必要になってきた。
わたしはひとり暮らしをすると汚部屋でポテチ生活をしかねない人間で、旅行と同じくらい引きこもり生活が好きだ。
夫に先立たれると、わたしの老後は危機的になるだろう。アパートであれ施設の個室であれ、遊びに来てくれる友人(=他人の目)なしに健全に暮らせないのは目に見えている。
そんなわけで、老後に備えてちょっとしたスキルがたいくつかあるといいなと思っている(夫が先立つとは限らないが)。
例えば、ネイル。ネイリストとして働けるほどのスキルはいらないけど、遊びに来た友達に施術できるくらいの腕があれば喜ばれそうだ。リフレクソロジーなんかもいい。
例えば、占い。わたしは占いに興味がないので今のところ習うつもりはないけど、手相占いやタロット占いができるのもきっと面白いだろう。
こういう「ベースがゼロ」のスキルは、習ったときの成長の幅が大きいのもいい。そこそこできることが上達するより、全くできなかったことがそこそこできるようになるほうが学ぶのが楽しいし、人生の変化が大きいからだ。
これは、握り寿司で実感した。
わたしは料理は毎日するけど、寿司はちらし寿司と手巻き寿司、手まり寿司しか作ったことがなかった。握り寿司となるとそもそもネタの切り方もわからない。
自宅で寿司を握れたら楽しそうだな、パスタや和食を習うより成長も実感できそうだな、と思っていた矢先にコロナ禍になり、なんとオンライン握り寿司講座なるものが登場した。
2500円で30分だか1時間だかの講座を受けただけなのに、我が家のおうち寿司は今、とても豪華になっている(そして、軍艦と巻物も習いたいと思っている)。
老後に向けて、寿司みたいにちょっと齧るとQOLが爆上がりしそうなスキルを探してちょこちょこ身につけていけたらいいなと思っている。