今日、9/21はスケッチブックの日だそうだ。マルマン株式会社によって申請されて、一般社団法人日本記念日協会に認定されている。で、数年ぐらい前からこの近辺でマルマンによってスケッチブックの限定版が発売されたりする。
マルマンと言えば↑のアイコンにもなっているけれど、黒と黄色のスケッチブックは誰もが見たことある柄なのだろうと思う。他にもクロッキー帳とか画材とかが売られている。
――売られている、とは言ったものの、まぁ僕は絵に親しんだ人生ではなかったので、別にマルマンもスケッチブックも馴染み深いわけじゃない。親しむどころか、僕は絵というものが致命的だと言える。
データを漁ったところ、数年前描いたゴリラが出てきた。

致命的というか絶命である。
思い返してみればこのパターンは僕のよくあるやつなんだろう。大人になってから過去の自分に復讐をしたいようで、「いいもん! 練習して上手くなるもん!」という無駄な時間の使い方をするパターンだ。
絵を描いて人に笑われるたびに自分のなかに何かが蓄積していく。そしてある日思った。「いいもん! 練習して上手くなるもん!」人生は得意なもので勝負するのが正攻法であると思うので、なんと無駄な時間の使い方だろうか。ある意味贅沢と言える。
そんな折、友人からこのクロッキー帳をもらった。

僕は思った。「これを1冊、絵で埋めることができたら、iPadを買ってデジタルの絵に転向しよう!」と。まだ何も描いてないうちから転向とは頭が沸いてる。いまはもうデジタルで描いた方が細かく修正できるし、全体的に安上がりなのでは、と思ったのだろう。
2021年5月のことである。
そして今日、このスケッチブックの日、やっと1冊埋まったことをここに報告する。最後の数枚はこの日に合わせるため連続で描いたが、2021年から足掛け4年もかかってしまった。
基本的に鉛筆画から始めた。何となく絵はデッサンからやろ的なイメージがあって鉛筆からが正当な気がしたのを覚えている。なので最初は「絵」を描いて、そのうち「イラスト」も描いた。それから線入れを知り、色鉛筆を使うことも増えてきた。ただ、ほとんどは模写であった。
さぁ成長を振り返ろう。

記念すべき1枚目は手近に落ちてたルービックキューブである。何を隠そう僕はルービックキューブをそろえられることに憧れて覚えたので、どうしてか分かってないが機械的に色をそろえられる方の人種である。
基本的に正方形を組み合わせればいいのでは? と考えて描いてみたのだろう。この段階ではそれしかできていないし、色も分からない。

この辺が初めて出てきた「人らしきナニカ」である。このころの大きな誤解は「絵はサラサラ描いてうまくできるもの」と思っていた節がある。なので基本的に時間をかけていなくて雑い。

そしてその日、8/8に気がついたらしい。「絵って時間がかかるもんなんだな、ハァハァ……」時間をかけたら、というより時間をかけて見るようになったのだと思う。「君の名は。」の三葉。三葉大好き。

並行して進めていた家や灯籠の写真を見ながら絵に描いた。細かく見るということをやって、何だかんだでこの辺は好きかもしれない。正直女の子のイラストを描くのは楽しいが、たぶん自分はこういう「絵」の方が好きなんだろうと思う。

八ヶ岳。登ったことある。

ヤドクガエルやクラゲも好きな動物なので、割と楽しそうに描いているのが見て取れる。この辺から鉛筆を動かす方向にも気をつけ始めた気がする。それとなく「イラストを描く」系の動画や本を読み始めたのもこの辺だ。

ロビン・ウィリアムズだった気がする。下手だが、彼の優しそうなところはまぁ割と出てるんじゃなかろうか。いつのときのロビンかな。

そしてこれがおそらくこのクロッキー帳のなかの最高傑作、「姉弟」である。「うん、素敵だ」と思ったものの、なぜかここから急激にイラストに偏った。なんか疲れたんだと思う。

なんか色々真似し始めた。シルバーズ・レイリーは結構気に入っていて、どうにもオッサン、おじいちゃんはこの後も何枚か描いてあった。憧れが入っている気がする。

これは2023年の夏くらいから現れるアーミヤCEO。手癖みたいなのを身に着けようとして、基本的にアーミヤをこの辺から描くようになった。アークナイツ最推し。かわいい。

レムとフリーレン。この辺から色鉛筆を使っていくスタイルになった。何が難しいかっていうと、日常感じているのと色鉛筆で見える色は全く違うということだろうか。
一番難しいのが肌の色だと思う。イメージだともっと白色に近いと思っていたけれど、それだと変になってしまって茶色〜黄色系を使うものの、それでも全くイメージ通りになったことがない。

そしてこの2つが完全にオリジナル。この辺になると去年〜今年あたりだったと思う。髪の描き方がいまだによく分かってないのが分かる。あと色がやっぱりイメージと全然違って、もうこの辺で「色鉛筆が悪い」と思い始めている。

このころしてた手や指の練習と、毎日見てたアジサイと一番描いてたアーミヤを組み合わせて、この辺がこのクロッキー帳の集大成といったところ。なかなか気に入っている。
そして今日、最後のページにはこれを選んだ。

1枚目と同じルービックキューブ。だいぶ崩れてるけど、1冊描いてみて、絵は時間をかけて嘘を描いてもいいことを覚えた気がする。上手くなったのかというと微妙だ。
これとは別にペンが手に馴染むように数分でイラストを描いている日々は続いている。鉛筆なりペンなり色鉛筆なりを動かしているときは、心地よい集中ができることが分かった。
あと絵、イラストの出来は描いているときのテンションに大きく、極めて大きく左右されることが分かった。こんなにテンションに左右される品質のものって他にないんじゃなかろうか。
可愛い女の子を描いているからテンションが上がるってわけでもないのが難しい。このテンションは何で引き上がるのかまだ分からないが、とにかくそのテンションに大きく左右される。
果たして続けていると上手くなるんだろうか。まぁそれほど金もかからないし、続けていれば、その分は力になることもなきにしもあらずだろう。自分のイメージとのギャップを埋められるようにはなりたい。
余談。
1冊、しかも基本的に裏表描いて埋めたので200枚くらいを描いたことになる。冒頭で述べたとおり、やっぱり描きながら修正できるし、デジタルで描きたいと思っていて、クロッキー帳が終わったらiPadを買ってくるつもりでいた。
そして買ってきたのがこのiPadだ!
ドーン!

圧倒的お馴染みの黄色と黒! 圧倒的アナログ! 圧倒的B4サイズ! 圧倒的紙感! 圧倒的マルマン! そう、今日はスケッチブックの日! これが正解! そうだろ?
いや、アナログで描けなきゃデジタルでも描けないんじゃないかなって思ったのと、クロッキー帳小さすぎてアナログで細かいところが描けなかったのである。なのでこれからは少し大きめなスケッチブックに描いていこうと思う。
これまた埋めたらiPad買うか考えよう。てか液タブとか、その辺買うか考えよう。いやでもなんかいずれ水彩やりたい気持ちがあるんだよ。だからそのときに考えようと思う。
それはそれとして。
ありがとう、クロッキー帳。
