こちら(↓)に触発されてこの記事を書きました。
5000円分の本を買う妄想! こんな楽しい遊びってない。文庫フェアのシーズンですし、本の紹介が魅力的なのでこの夏の一冊にしてはどうでしょう? 好きな作家さんの本が選ばれているので、その世界に触れてほしい気持ちもあります。
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私も本を選んでみたのですが、小説に限定すると、いつもの顔ぶれになってしまうので、本屋をぶらつくように気楽にいきます。
その前に、本棚について少し。本棚は一つと決めていて、そこに収まるのが適量です。はみ出るものは手放して、新陳代謝するようにしています。本であふれた空間に憧れる気持ちもありますし、手放したことを後悔する時もないとは言えません。
手元に残す基準は、偏愛できるもの。原田マハさんでいうと、衝撃を受けた「楽園のカンヴァス」はまあよしとして、「サロメ」があるのでそういうことです。残酷で胸をえぐる物語が好きです。常識人には見せられない本棚です。
では、本題に入ります。5000円分の選書を発表します!
江國 香織「なつのひかり」(1999年)文庫本:814円
おぼろげな記憶を辿ると、江國さんとの出会いはこの本だったかもしれません。最初は日常の小さな変化に始まるのですが、途中からまぼろしを見るような気持ちになったのを覚えてます。なつのひかりといえば「やどかり」。逃げたやどかりがいい味出してるんです。目の眩むような夏の日に読みたい一冊。
市川 春子「虫と歌 市川春子作品集」(2009年)コミックス:990円
「宝石の国」の作者の短編集です。どの作品も魅力的ですが、冒頭の「星の恋人」がすごいです。人間と、人間以外の関係を描いています。その「人間以外」が飛び抜けています。市川さんの切り口は不思議で軽やかで心地よい。何といっても言葉のかけあいが楽しい。常識を覆すこんな世界がどこかにあればいい、と胸が熱くなります。
矢作 ちはる「石の辞典」(2019年)単行本:1,650円
ページを開いて、右に鉱物の手書きの絵、左にその鉱物に纏わる話を配置した美しい辞典です。矛盾するようですが、冷たい石の絵にはぬくもりが感じられます。カバーを取り外すと、鉱物の名前が整列していて静謐。佇まいも好み。この辞典シリーズはどれも素敵で、「紋の辞典」と「菓の辞典」が気になってます。
中村 明日美子「王国物語 1」(2018年)コミックス:715円
電子書籍で読みました。西洋や騎馬民族を思わせる異国ファンタジー。「大人の寓話」とはよく言ったもので、さまざまな思惑と欲望が絡み合い、愛する故に食い違い、ことごとく悲劇に変わってしまいます。コマ一つで語ることが多く、余白好きにはたまらない。結末が悲劇かどうかは読み手次第ですが、描線の美しさは目を惹きます。
辻村 七子「マグナ・キヴィタス 人形博士と機械少年」(2018年)文庫本:649円
「宝石商リチャード氏の謎鑑定」の作者の小説です。アンドロイド管理局に努める主人公が、野良アンドロイドの少年を拾います。「夏への扉」のせいで、アンドロイドといえば夏のイメージから抜け出せません。管理社会と退廃……というよりは法の穴や廃棄の世界観。うまく言い表せないのですが、辻村さんの描く心の感覚に魅せられています。
合計:4,818円
モカブレンド(S)180円をおともに読書を楽しめます。
兄弟もの好きの視点で語ると、「なつのひかり」は兄妹、「虫と歌」も兄妹色々、「石」はある意味全部兄弟、「王国物語」は双子の兄弟、「キヴィタス」もおおぜいの兄弟です。きょうだいなんてよくある設定じゃん? いえ、共通点です!
本を選んでいるうちに、じっくり読みたい気持ちになりました。そろそろ再読の季節かもしれません。
こくさん、読書好きの心をくすぐるテーマをありがとうございました!