Apple Intelligenceの紹介ページの末尾に、
Some features, additional languages, and platforms will be coming over the course of the next year.
という文があった。Appleの日本語版プレスリリースでは、これを訳したと思われる文が、
一部の機能、ソフトウェアプラットフォーム、追加言語は来年中に公開される予定です。
となっているけど、これは誤訳じゃないかな。問題なのは、the next yearの訳。next yearは「来年」(1月から12月までの1年間)だけど、the next yearは特定の時点からカウントした1年間を指す(カウント起点を示していない場合は現時点からカウントする)。
つまり、原文は「今から1年後に当たる来年の6月までにはリリースするよ」と言っている。もしかすると、実は英文の書き間違いで日本語版が正しいという可能性もあるけど、純粋に語学的に解釈すると、日本語訳はおかしいね。
ちなみに、ウィズダム英和辞典はnextの項に、He will go to Paris next week, and to Rome the next week.(彼は来週パリに, その翌週にローマに行く予定だ.)という例文を載せている。

また、オーレックス和英辞典は「向こう」の項に、「あの店は向こう1か月営業停止だそうだ」の訳として「I heard that store was ordered to suspend business for the next month.」を示している。

参考までに、冒頭の英文を機械翻訳してみる。
Google翻訳
いくつかの機能、追加言語、プラットフォームは、今後 1 年にわたって提供される予定です。
DeepL翻訳
いくつかの機能、追加言語、プラットフォームは来年中に登場する予定だ。
ChatGPT
次の1年の間に、いくつかの機能、追加言語、およびプラットフォームが登場します。
Googleの訳が正しいと思う。「来年」と訳したのはDeepL。ChatGPTは、ちょっとあいまいなので微妙かな。