中学生の頃に受けた国語の授業で唯一覚えている、「コンコルドの誤り」という話がある。
これは「コンコルド効果」とも呼ばれる心理現象の話だ。
簡単にいうと、「時間やお金をもう十分にかけたし、いまさらやめられない」という心理現象のことを指す。
ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。
話の内容自体は覚えていないが、この心理現象がとても印象的で、中学生の頃の自分に深く刺さった。何なら今も刺さり続けている。
コンコルド効果は意識していてもすぐに陥ってしまう。昔から知っている心理現象で意識もしていることなのに、いまだに陥ってしまう。
でも、この心理現象を知っていることで、それに陥っていることを自覚できる。この自覚できることが大事だと思う。「今、自分はコンコルド効果に陥っている。このまま続けても良いのだろうか」と冷静になって自省するきっかけになる。
ちょうど今やっているタスクでコンコルド効果に陥ったことを認知し、まごついた。具体的には「数十時間かけて進めてきた設計なのに、うまくいかないことがわかってしまった。いまさらそれを捨てて別の設計にするのはもったいない」という感情がわいた。
コンコルド効果を認知し、やり直すことが大事であると認識できても、実際にやり直すことは難しい。でも、それを知っていることで、前述したように自省のきっかけになるし、「自分だけではなく普遍的な思考である」と知ることで幾分か気持ちの余裕が生まれる。
ということで、コンコルドの誤りという心理現象についてつらつらと書いた。
おわり。