現職でもらった心に残っている助言のひとつに、「趣味なら技術的興味だけでエンジニアリングをしても良い」というものがある。
これは自分をかなり救ってくれた考え方で、これを意識してからは趣味プログラミングが本当にとても楽しくなった。ここ最近、平日の業務後や休日にエンジニアリングできているのはこの考え方のおかげだ。
仕事では「技術が面白そうだから」 だけでは良くない。これは単純な理由で、技術的に面白くてもそれが組織やプロダクトにとっての利益には直接繋がるとはいえないからだ。技術選定を誤ると技術的負債となる可能性もある。
もちろん、利益に繋がる理由があれば、技術的興味で突き進んでも良いと思う。ただ自分の場合は、意識しないと技術的興味が強く出て、利益関係なく進めてしまいがち。なのでかなり気を付けていて、「how ではなく why を掘るべき」と考えながら仕事をしている。
でもそれは仕事の話だ。仕事では組織やプロダクトの利益のためにやっているが、趣味の最大の目的は自分が楽しむこと。
だからなんでもやっていい。仕事で触ることがなさそうな技術を触れて良い。無限に yak shaving をしても良い。
何もやらないよりは生産的だ。しかも仕事に活かせるケースだってある。まあ、仕事に活かすために趣味でも技術選定をやっていると、割と疲れてしまうので、「仕事に活かせるか」を考えるのは二の次で良いと思っている。
自分は CI/CD を整えたりターミナルの環境を整えたりといった自動化のためのエンジニアリングが好きだ。趣味では Vim をいじったりよくしている。これはそのまま仕事の生産性向上に寄与することもある。自分の手に馴染むように研ぎ澄まされたターミナル環境は、もはやそれなしでは生産性を落とすだろう。
このように、副産物的に仕事にも活かせることはある。大事なのは仕事に活かすとは考えないことだ。好きな技術を触っていたら仕事にも活かせる場面があった、くらいがちょうどよい。
「仕事に活かすためにプライベートの時間も勉強をする」というのは四六時中仕事のことを考えることになり、気苦労も多い。実態としてはそうであっても、「自分は好きなことをしている」という気の持ち方が、精神衛生上大事だ。
最後に
自戒を込めて、趣味は技術全振りで良い、ということを書き残したかったので書いた。
おわり。