まとめ その32 (#303~#309)
pixiv Sketch(ピクスケ)に「pixiv今日のお題」という日替わりのお絵描き課題があって、これを以下のマイルールで描き続けています。
Sketchドローでスマホに指で描く
版権縛り。被らないネタで大喜利。テキストで補足しない
出題日内に描く。目標1時間前後
ピクスケの投稿では何を描いたかを明記していないのでここで「こたえ」を公開していきます。気になった人はチェックしてね!
5月3日のお題「ショートパンツ」
#303:ララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー) (トゥームレイダー/2001/映画)
日付:2024年5月3日 [127] 制作時間:68分 (13)
原作の衣装に変えるという案もありました
この絵で自画自賛したいのはこの顔を何も見ないで描いたこと。あとで資料を見て微調整したもののほぼ一発描き。よくこんなの描けるようになったもんだなあ。一応「ショートパンツ」がお題なので原作の衣装に変えて、パンツのディティールに凝るということも考えました。映画版の衣装はなんだか真っ黒でよくわからない。
5月5日のお題「子供」
#304:カツ、レツ、キッカ (機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編/1982/映画)
ゼロー❗️
日付:2024年5月5日 [129] 制作時間:56分 (13)
「お子様ランチ」で描こうと思っていたもの
もう「お子様ランチ」のお題が戻ってくることはないだろう、という判断で「子供」のお題に投入。この絵がどうして「お子様ランチ」なのかはわかりますよね❓
今回で連続投稿記録更新です。8月までの間に「お子様ランチ」のお題が戻ってきたらマジどうしよう?
5月6日のお題「ロングスカート」
#305:九楽あすか (花のあすか組!/1985/漫画)
日付:2024年5月6日 [130] 制作時間:50分 (14)
ロングドレスはたぶんスカートではない
ドレスを除外してロングスカートを履く必然性のあるキャラを考えると、もうスケバンくらいしか候補がなさそうな気がする。スケバンでいうと麻宮サキと鮎川まどか(?)は描いてしまった。他だと「今日から俺は!!」の京子とか奇面組の御女組とか。結果、主人公がスケバンの作品から選んで「花のあすか組!」になった。
いつも苦労するのはお題絵で全身を入れるように描くこと。スマホ指描きだと小さく描くのがすごく難しい。お題が「ロングスカート」なので少なくとも足元までは描かないといけない。他にも斜め構図にするとか座らせるとか方法はあるのだが、やっぱり「ロングスカート」をスケバンぽく見せるなら立ち絵しかないと思った。
5月7日のお題「オーバーオール」
#306:ぐり、ぐら (ぐりとぐら/1963/絵本)
日付:2024年5月7日 [131] 制作時間:31分 (32)
この世で一番好きなのは、お料理すること食べること
少し前から取り組んでいた「あっさり塗り」を今のやり方でやるとこうなる、という成果が見せられる恰好の回。ぐりとぐらを2レイヤーに分けてキチンと描いているのにむっちゃはやい。いやもうホントこういうのでいいと思う。おいっちにさんし
よく読み聞かせした絵本で、まだ描いてないのは「はらぺこあおむし」「くまの子ウーフ」「チリとチリリ」あたりだろうか。回数で言えば「乗り物図鑑」が圧倒的なんだが、あれ絵本じゃないし、図鑑を読み聞かせするのは苦行でしかない。
5月8日のお題「赤ずきん」
#307:レア、フィーナ、アドル・クリスティン、ゴーバン・トバ (イースI・II/1989/PCエンジンCD-ROM²)
日付:2024年5月8日 [132] 制作時間:130分 (17)
ゴーバンすまんフレームにかぶってしまって!
2度あることは3度ある。またまたイース語りの時間がやってまいりました!うっぜえぇ!!…というか「二人の女神」はまだお題絵で描いてなかったのだ。「赤ずきん」だと、まあ赤チャかバレッタが妥当な線でしょう。私はレアにしたけどな!
さすがに時間かかったなあ~。社交ダンスのポーズを参考にしつつ、2レイヤー計4人だからこんなもんだろうか。ほとんどの時間を下書きに費やしていてその分塗りはシンプル(あっさり塗り)。1レイヤー2人だと65分くらいなのでまずまずかと。1人あたり32.5分で描けてるならはやいはやい。
なぜ社交ダンスかと言うと、今回の絵は、今でも最高傑作と言われているPCエンジンCD-ROM²版「イースI・II」のスタッフロール(2:47~)の再現だからである。本作のリリアのCVは鶴ひろみさんなんだよ。
オリジナルの「イース(I)」でもスタッフロールに使われている神曲「See You Again」にのせて、ゲームキャラがカーテンコールを演じるという内容である。最初に出てきたフィーナとアドルがワルツでくるくるまわっている横を、リリアとドギが出てきて挨拶(3:30~)、ダレスがフレンチカンカン(3:50~)、キースの魔物化は実は着ぐるみでした(4:05~)、ダルク=ファクトはフラメンコ(4:29~)、そしてレアとゴーバンがチャチャチャで登場(4:48~)、ルーのマスゲーム?(5:10~)、最後にアドルとフィーナがバウ・アンド・カーテシーで締める。お題絵ではフィーナとアドルの位置が逆だが、これは女神を両端に配置したかったからで、意図どおり。レアにハーモニカを持たせているのはいつもの芸コマ。もし元絵を挙げろと言われたら、ココ!この部分!ちっさ!
「イースI・II」はパート間が連続していて、Iの終わりにEDデモがないため「See You Again」はIIのEDで使用されている。そう「イースI・II」では神曲「The Morning Grow」が流れないのである(その代わりIのOPでオリジナルでの未使用曲「Theme of Adol」が使われている。まあ古代先生の曲は全部神ですけど)。とにかくこのデモがカットされているのはもったいなすぎる。(16:33~)
「The Morning Grow」の最後の空の絵で、よく見ると天空のイースがうっすら描かれていることに驚くといい。EDのテキストの内容しかり、「See You Again」の曲名しかり、続編「イースII」をプレイして初めて、全部が前フリだったということに気づく仕掛けになっている。「アドルは不思議とその二人をよく知っているような気がした。」というくだりで、誰の事だろう?と思わせつつ「フィーナの記憶は、もう戻っただろうか?」と気をそらす。一応お話としてはこれで終わったように見せるのがとても上手いなぁと思う。
続くオリジナルのスタッフロールは背景に星が放射状に飛んでいくシンプルな演出になっている。「しかもなんかショボイ」とか思いました今?これ当時のPC-88とかだとスゴイ処理なんですよ。このコードを想像するだけで泣けてくる。「ソーサリアン」のOPとかもそう。これはエンジニアにしか分からない感覚かもしれない。
このオリジナルのEDパートの流れは、後年のリメイク「イース エターナル」でアップグレード再現されているんだけど、もはや3D処理が余裕しゃくしゃくな時代なのでなんだかこれ見よがし感が強い。これでもかというくらいぐるんぐるん回してます。完全版を謳うだけあって非の打ち所はないんだけどね。(3:47~)
「イースI・II」以降、キャラクターがフルボイスで話すようになったり、会話シーンでイラストがインサートされるようになったりして、表現方法が豊かになった反面ゲーム体験がいくぶん受動的になってしまったけれども、本来のイースは冒険物語を丹念に紐解いていくかのようなゲームである。ゆえにプレイヤーはテキストを能動的に「読む」ことを要求される。登場人物のセリフはもちろん、ちゃんと『イースの本』の内容を読んで「理解」しないと、ゲームを進められないようになっているのだ。ゲームなんだけど行間を読む楽しみがある。そうして、どっぷりとお話の世界に入り込んだあと「ダームの塔」から夜明けの空を見上げるから、静止画にテキストが流れるだけのEDで泣けてしまう、そういう美しさがある。音楽はちょっとズルいけどね。
今回お題絵を描いてまとめを書くまで、イースからはしばらく遠ざかっていた。こうして見返すと改めて素晴らしいゲームだと思うし、この先こういうゲームに出会うことはもうないんだろうな、という寂しさもある。
最近知った情報。フィーナとレアの区別は、前髪真ん中分けがフィーナで、前髪ぱっつんがレアらしい。「イース オリジン」以降は「二人の女神」は「双子の女神」と呼ぶらしい。公式が言っていることなので間違いない。まあそれでも、今回フィーナとレアの衣装はオリジナルを意識して描くようにした。ゴーバンまで描くことになったのはちょっと想定外だったけど。そして「赤」のお題でアドルは描けなくなってしまったので注意しておこう。今回、自分がイメージしている女神たちの表情は上手く描けたと思っているので大変満足です。描き分けもできたしね。(目のニュアンスを変えている)
あ、そうだ。2023年7月ごろにこんなの投稿してましたね。
雑にも程があるけど思いついてしまったので
これで何を描いたのか分かったら奇跡
これは今回と同じ意匠で、最初にフィーナとアドルが入場してくるシーンを、できるだけ最近の公式デザインを元に描いたものでした。落書きレベルにしても今ほどの技術はカケラもない。しかし何だ?この思い入れの強さ!?
レアのハーモニカの話も書きたかったけど、もういい加減やめときます~
5月9日のお題「メイク」
#308:アイリン・ラポーナ (ゴージャス☆アイリン/1985/漫画)
わたし残酷ですわよ
日付:2024年5月9日 [133] 制作時間:93分 (14)
彼女は嘘をつく 自分の体で―
「メイク」といえばわれらが桂先生の「SHADOW LADY」もあったりするし、そもそもムーンプリズムパワーメイクアップ!とか、「メイク」をすることで変身するシチュエーションのアニメ・漫画は多い。そしてやっぱり私は「ゴージャス☆」に来てしまうわけである。
初期の荒木先生の描く女性は結構好きで、アイリンの他には「バオー来訪者」のスミレなんかが好み。特徴はくっきりアイラインと黒眉毛である。荒木先生談だと、「魔少年ビーティ」の頃の絵柄は白土三平先生の影響が強いのだそうだ。そういわれると納得できる。
どう考えても下書きと塗りに時間を持っていかれることは予想できたので、まずがんばってジョジョ立ちを考える。こんなポーズ無理!ってくらい思い切っていいのだが、変に手癖がついている人間には難しいのだ。「居つき」というやつです。いかんいかん。
下書きが描けたら線画。最初から塗りでなんとかする作戦だったので線は最低限。顔と体のアウトラインしか描いてない。指のディテールなんてないです。服も描いてない(オイ)
そして塗り。まず顔を塗ってしまう。前述のとおり目と眉を強調。アイリンの眉は太くはないけどほぼ黒で塗ってしまう。そしてお題の戦いの「メイク」。シャドーと口紅を塗るけど、色は紫と緑。この配色大事。スキンスタート!
全体のカラースキームとしては黄色と青、緑とピンクの組み合わせで塗っていく。服も着せないといけない。レイヤーを重ねてそれっぽい色をどんどん塗りつぶしで重ねていく。スカートっぽい部分は白を半透明で重ねて、点描で赤い水玉を置く。すごいテキトーだけどいい感じになったと思う。
そして最後。一番重要だと思っているのが「黒のハイライト」!これを髪に入れつつ、黒の点描で耳飾りを描いていく。どうですか?お客さん!
5月10日のお題「メイド」
#309:ドラエ・タチバナ=ドリャーエフ (ツマヌダ格闘街/2006/漫画)
ただのメイドでございます
日付:2024年5月10日 [134] 制作時間:46分 (14)
笑ってないドラエさんほど怖いものはない
正座からの居合。瞬きした瞬間に斬られる、そんな雰囲気。
やっぱり見れば見るほどドラえもん。「からくりサーカス」の回でも書いたのだが、ツマヌダも武術雑誌の「月刊・秘伝」の「これがすごい!最強マンガ大賞」で取り上げられていたのが読むきっかけだった。このビジュアルで本格武術漫画であることにおどろき、手に取ってみて作者が上山道郎先生であることに更におどろかされる。「機獣新世紀ZOIDS」で読んでいた上山先生作品が全く違うジャンルで再び、である。
お話は架空の「明道流柔術」を中心に、主に陳式太極拳と伝統派空手のライバルと切磋琢磨しつつ展開していく。他にも色々な武術・格闘技が出てくる。雰囲気としてはNHKでやっていた武術解説番組「明鏡止水 〜武のKAMIWAZA〜」を藤子不二雄作品のパロディキャラクターでやってみた、的な感じである。
漫画家さんが実際に武術に真摯に取り組んでいて、それを漫画で表現しようとしている奥深さ。例えば「からくりサーカス」の藤田和日郎先生は形意拳、「SABER CATS」の山本貴嗣先生は通背拳と言った具合である。漫画というのはやっぱり経験をもとに描くもの、むしろ経験がなければ描けないもの、ということを再認識させられた作品である。
もう一つは、「武術の練習とは、師の動きを自分の体で表すこと」というお話。このくだりは「とめはねっ! 鈴里高校書道部」で大槻藍子が「臨書とは、古代人の動きを再現すること」と言っていたのに通じる。書いた人の姿勢、動作、筆致を再現すれば限りなく近い書が書けるだろう、ということ。つまり絵についても同じで「まねるなら、作者に敬意を持って全力で『再現』すべし」ということが言えると思うのである。トレスとかガチ模写じゃなくてね。
まあ、こういうことをさらっとパロディに織り交ぜて漫画にしてくるあたりがホントにすごいなあと思っています。
最初期にSketchドロー(Web版)で描いた八重樫ラミィ(模写)。
総括 (309/365+α 134日連続)
少し前から試している「あっさり塗り」が形になってきた。線も極力減らすようにしていて、迷い線は初期に比べると格段に減ったと思うのだがどうだろうか?
どこまで省略できるか?が残り期間での主課題になるのかな。「息を吐くように絵を描きたい」という理想にどこまで近づけるか。
絵の密度によって制作時間はガラリと変わってしまうので、定量的に高速化度合いが測れないのが悩み。何か「ここまで速くなった!」という指標が欲しい。