松方コレクションが関西にやってくると聞いて、兵庫県立美術館へ。なんだかんだで年に何回かは来ている気がする。展示のメインはタイトルの通り、国立西洋美術館の松方コレクションと、兵庫県立美術館の山村コレクション。前者はなんとなくロダンとかモネのイメージがある一方、後者についてはあまり知識がなく分からないため、こうした機会があるのは嬉しい。
それぞれのコレクションを中心に、いくつか対比も交えながら近代美術を見ていくという構成は、とても分かりやすくてスッと頭に入ってくる。中でも本展に来ている松方コレクションはロダンのブロンズ像が多くて、西洋美術館所蔵ながら兵庫で今回初めて観たものも多かった。

国立西洋美術館のエントランスにある地獄の門、あるのは認識しつつ、きちんとじっくり観たことがなかったので、こうしてそれぞれの像について細かく説明されていたのも大変有り難い。展示されていたものの中だと、「永遠の青春」という作品が特に良かった。

こちらは国立西洋美術館と兵庫県立美術館がそれぞれ所蔵している、同じ鋳型から作られたブロンズ像。ポーズは同じなのにどこか違うように見えるのが面白くて、周囲をぐるぐると回ってしまう。素人目には分からない部分だけど、ブロンズの成分などが違っているのだという。

ブロンズ像たちの奥で見切れていたのは、大きな腕を広げてじっと静かに立っている真っ赤な衣装。ただならぬ存在感を放つこの「超現代三番叟」、キャプション曰くアーティストがこれを着て踊ると赤い袖が翻り、その軌跡が絵画となって観客の目に映るようで、そんなの面白そうすぎる…! 実際に観てみたかった。パフォーマンス系のアートって本当に一期一会だ。

色々観た中で印象的だったのは、高い天井と白い壁が映える一番最後の展示室。具体美術協会のエネルギッシュな作品たちが絶妙な緊張感のもとで並べられていて、何とも不思議な空間になっていた。展示室の中央に聳え立つ「赤い丸太」が気に入ったのと、あとはボタンを押すとベルが鳴る作品があったのだけれど、さすがに長押しする勇気は無くて、ほんの一瞬しか押せなかった。もしボタンを押し続けていたら、いったい何が起こっていたのだろう。

山崎つる子はアンチ・アクション展で知って、色使いがポップで可愛いなあと思ったけれど、こちらもやっぱり可愛くて嬉しくなる。抽象画を観て嬉しくなることってあるんだ。
モネのポプラ並木、ミレイの狼の巣穴など、西洋美術館でお馴染みの作品を改めてじっくり眺めてみたり、ロダンのデッサンを見たり、日本の前衛美術を前にあれこれ考えてみたり。それぞれの作品を前に色々な楽しみ方ができて、とても良い展覧会だった。