宇都宮美術館と東京都現代美術館にプラスして、国立西洋美術館と東京国立近代美術館の常設展にも行ってきた。この2館の常設展は何度行っても本当に楽しいし、年パスを買ってもいいかもしれない。

ちょうど国立西洋美術館ではモネ特集が開催されていて、同館所蔵のモネを全部観ることができた。なんという大盤振る舞い。普段は大抵クールベのキツネが掛けられているお部屋が、半分以上モネの作品になっていたのは壮観だった。初めて観るものもいくつかあって、「ラ・ロシュ=ギュイヨンの道」もその一つ。道端に落ちる木の影がなんとも趣深くて、絵を観ているとどこからか冷えた冬の風が吹いてきそう。

こちらの「ヴェトゥイユ」も、水面の反射が綺麗で大変気に入ってしまい、しばらく椅子に座ってぼんやりと眺めていた。ずーっと観ていても全然飽きない。西洋美術館の常設展示室は、座れるところが多くて本当に助かる。びっくりするほど広いので…。

それから、アルベール・アンドレという画家の絵を観たのは多分今回が初めて。ゆっくり揺蕩う水面の描写とか、右側に居る2人の穏やかで落ち着いた雰囲気とか、好きなポイントがたくさん。家に飾りたい。

そしていつものサン・トロペ。また来ます。
東京国立近代美術館は、キャプションが好きで通っているところもあるかもしれない。温度感というか、単なる作品解説に終始せずにこちら側へ語りかけるようなトーンがちょうどよくて、キャプションの奥に「人間」を感じる。

川上涼花の「鉄路」が好き。色遣いが本当に綺麗で、いつも見とれてしまう。このパートは日本画家とゴッホの繋がり?みたいな解説があった気がする。MOMATコレクションのテーマはいつもちょっと捻った題材になっているのが面白くて、テーマの説明パネルを読むのも作品と同じくらい楽しい。

3階の10室は壁が黒くて、座れるものがたくさんあるので、ついつい長居してしまう。今回は鳥モチーフの日本画を色々鑑賞できて楽しかった。目に留まるのは、まるっとしてふわふわの小鳥を描いたものや、ふやふやの小さな雛鳥。特に鶴がたくさん描かれている作品が気に入ったので、椅子に座って気の済むまで眺めていた。鶴たちが映えるようにという意図なのかは分からないけれど、地の色が銀色なのもセンスが良いな〜と思う。
東京オペラシティ アートギャラリーで開催されていた「ほぼ、空:青木淳+リチャード・タトル」にも行ってきたのだけれど、そちらも凄かった。アートギャラリーのすべてをまるごと展示室にしているというか、色々なものの境界を取り払うような展示構成になっていて、本当に不思議な空間だった。リーフレットの地図に沿って進んだ先、広々としたスペースで静かに佇んでいるのは、何本かの大きな柱とその上にある木の枝や葉っぱ。自然と上を見上げる形になって、何某かのエネルギーを上からびしびしと感じるのだけれど、一方で心は落ち着いていて、奇妙な感覚。神社の鳥居をくぐるような、大きな仏像を見上げるのと心持ちが似ている。
受付カウンターと展示室に明確な境界線は無く、ミュージアムショップも最早展示物の一部になっていて、アートギャラリーを含めた全体がひとつの作品のようで、なんだか新鮮で面白かった。ここは写真撮影が完全にNGだったので、展示と自分との戦い(?)というか、一対一で向かい合う形になれたのが良かった。やっぱり美術館に行けば展示品の写真を撮りたくなるし撮ってしまうのだけれど、できるだけ少なく、お気に入りの何枚かだけにしたいな…と思う。作品が今まさに自分の目の前にあることに、もっと集中したい。