また夜眠りにくくなってきた。理由はわからないけど、漠然とした不安ってやつだろうか。そんなことより日々の日課みたいにトイレの水が勝手に流れる。まだ私は便器の上に座っているというのに、やつらは勝手に親切心で流す。勝手に流してくれるおかげで遥か昔定期券をデニムの後ろポッケに入れていたのが落ちたらしく、流されて行った。そのことに気づかず自宅へ帰ろうと手を突っ込んだらそこにはなかった。改札潜る前にめちゃくちゃ焦った。本当に冷や汗が出た。あれからポッケは物を入れるためにあったとしても、後ろポッケには油断するな!という謎のスローガンが私の中で作られた。あれ以来デニムも履いてないし、後ろポケットも使っていない。だから、自動洗浄トイレはあんまり得意じゃない。それと同じくらい得意じゃないのは、自動ドア。自動ドアが自分だけ開かないとうっすら存在を否定されたような嫌な気持ちになる。人間が作った文化によって否定される人格…。恐ろしすぎる。小学生の時お使いを頼まれて自宅から一番近いスーパーへ姉と二人で行った。意気揚々と自動ドアの前に立つが開かない。姉は何事もなかったかのような顔をして通っていく。ドアがまた閉まって私が通ろうとする、開かない。みたいなことがそのスーパーへ行くたびに発症しており、なんだか悲しかった。今は自動ドアは開いてくれるけど、トイレだけは未だに存在を認識してくれない時がある。
2024.3.26 Tue