歯の痛みがいよいよ増して、もう無理!限界だ!と、9時の診察受付スタートを待たずに歯医者さんへ電話をかけた。
幸い急患で診てくれるところを発見。診察室に入ったときにはもう気分どんより、半泣きの状態だった。診察の結果、前歯の根っこにある神経がなんらかの拍子で傷ついてむき出しになり、そこから奥まで腐っていたことが判明。その場で麻酔をかけ、神経を抜くことになった。
診察をしてくださったのは年配の先生。私の話を聞き、歯を順番に叩いたり、レントゲンを撮ったりと手際良く検査をした後、「だいぶ腐ってるねえ」とひと言。私の目を見て、今痛い歯がどんな状況になっているのか、これからどういう処置をするのかを丁寧に説明してくださった。
痛くてたまらないし、これからさらにどんな痛い思い(治療)をするのかと思うと怖くてたまらなかったけれど、そのおじいちゃん先生のおかげでだいぶ気が楽になった。痛みの伴う処置のときも「これから少し痛みますよ」と教えてくれて、心の準備ができているといくぶんか痛みがやわらいだような気がする。おまけに麻酔中には「今日は寒いですねえ」と世間話まで。途中、先生がむせて咳き込んでしまって、助手の方が「ごめんなさいね(笑)」と声をかけてくれる場面もあり、なんだかすっかり和やかな診察室だった。
今までたくさんの歯医者さんに通ってきて、これほどの痛みを抱えて歯医者に行ったのも初めてのことだったけれど、こんな和やかな雰囲気で処置をされたのも初めてだった。
あんな痛い思いをするのはもう二度と嫌だけれど、良い歯医者さんに巡り会えて、それは良かったと思う。