四コマ漫画みたいな映画

fukiteasobiki
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2023年1月3日(水曜)の日記

あっという間に連休最終日。もう少し休みたい。家の中でだらだらするか迷ったけど、映画みることにした。

アキ・カウリスマキ監督の『枯れ葉』

ストーリーは、ある男女のラブストーリー。スーパーマーケットで働く女と、工場で働く男がカラオケ酒場で出会う。その後なんやかんやあって再会したり、会えなくなったりしつつ、ほっとする結末になる。

全体として静かで、淡々と進む。4コマ漫画のサザエさんみたいなテンポだなと思った。シンプルなオチというか、速さが可笑しい。ゴミ箱に捨てる速さ、ぽろっとポケットから大切なものが落ちる迂闊さ、グラス回収、そして、そう、グラスタワー!!!

全員が基本的に無表情で、でもたまにニヤっとしたり、ムッとしたりする(ウインクもする!)。人と話すときに、正面に回って対峙して(対峙するというのがぴったりくる)、それから話しはじめる。

人々のやりとりにもおかしみがある。ネットカフェの店員とのやりとり、ブタの比喩、スーパーのバックヤードにおけるゆるい連携、犬とのやりとり……。

主人公たちの生活は確実に逼迫してるし、ところどころラジオに乗ってウクライナ戦争の状況が知らされる。陰鬱な映画なのに、見ていて悲しみに押しつぶされるようなことがない。それでも私たちは生活をやっていくし、生活をやっていればなんとかなる。

いい作品だった。大好き。

異国の映画を観ると、よくわからないシーンが出てくるのが楽しい。人々が何をやってるのか、どういうシチュエイションなのかがすぐにわからなかったりする。場所のこととか。そういうものを見ているだけでほっとする。特に北欧の景色が好きだ。

映画を見終わって、じーんとした気持ちで梅田の街を歩いた。家にいると、ツイッターをえんえん見てしまい、1日の地震や2日の飛行機事故にまつわる話について考え過ぎてしまう。今日はうっかり、知らない人に余計なことリプライしてしまった。

自他境界が曖昧になってきているのかも。意識的に離れなければいけない。そういうときに、映画とか本の力を借りる。借りることができてよかった。他人に生かされているとしみじみ思う。

@fukiteasobiki
それでは日記を書こうかな!