「思考の整理学」や「乱読のセレンディピティ」で有名な外山滋比古さんの著書。本書は、外山さんの多数ある著書から、発想/思考力を磨くような言葉を抜粋した著書になっています。1ページ1語で全150ページなのでサクサク読めました。
以下、心に刺さった/参考になった言葉を3つほど抜粋して、紹介しようと思います。
1つめ 「考えごとは朝にする」
❝ものを考えるのは、朝、目覚めてからの短い時間がいい。よく眠ったあとの朝は気分爽快で、頭の中の様子はわからないが、夜、寝る前よりは、きれいになっているにちがいない。そこで考えたことが、一日中でベストであると決めた。もともと、夜になってからものを考えようとしたことはなかったが、一日中、着想を求めていたのは、少し不自然であると考えるようになった。❞
「世界一流エンジニアの思考法」にも同様のことが書かれていたので、「巨人の肩に乗るつもりでやります」という感じです。05:00起きが習慣化できるように頑張ります。
2つめ 「姿勢を整える」
❝頭をはたらかせるのには、姿勢が大切である。いちばん合理的な姿勢は立ったときだから、腰をかけないで、立つのがよい。腰をかけて、あるいは、日本流にすわっても、背筋をぴんとのばして姿勢をよくすることを心掛ける。教室で姿勢を正して授業を受けているのは、たいてい成績のよい生徒である。そういう姿勢だと、勉強が頭に入りやすいからだと考えられる。❞
林修先生も某番組で「子供のしつけで一番大切なのは姿勢」「姿勢の良い不良ってなかなか見ないですよね」と仰っていました。
なにかエビデンスがないかChatGPTに聞いてみたところいくつかの研究結果が出てきたのであわせて紹介します。
生理学的効果(出典)
米国生物工学情報センター(NCBI)に掲載された研究によると、座っている姿勢と仰向けの姿勢の間の直立負荷の違いが、バロレセプターの発火率の変化につながるとされています。これは姿勢が生理学的に影響を与え、集中力や警戒心などの側面に影響を与える可能性を示唆しています。
自信と問題解決(出典)
Inc.comの記事は、良い姿勢(まっすぐ座ること)が難しい問題をあまり恐ろしいものとは感じさせず、自信を高めるという実験を参照しています。課題に対する自信の向上と不安の軽減は、より良い集中力と集中力に寄与する可能性があります。
姿勢の体現された効果 (出典)
MDPIに引用された定性的研究は、特定の姿勢が感情を引き起こし、集中力などの認知状態に影響を与える可能性があると述べています。この研究は、これらの効果を完全に理解するためにより包括的な研究が必要だと強調しています。
3つめ 「新しい時代に耐えうる人間になる」
❝まずは個人として、どうしたらコンピューターに呑み込まれないようになれるか、深刻に考える必要がある。 さしずめ、コンピューターのできないことをやるほかないが、読み書きの能力では人間は機械に及ばない。そうだとすれば、いまのコンピューターのできない、話すこと、とくに聴くことの力をのばすしか手はない。❞
ChatGPTを始めとした生成AIの登場によって、「いまのコンピューターのできない、話すこと、とくに聴くことの力をのばすしか手はない。」は事情が少し変わっているかもしれないですね。とはいえ、
個々の特徴/特性に合わせた対話
感情を揺さぶるストーリーテリング
非言語情報を得ながら意思疎通を図るコミュニケーション
はAIにはまだ難しい部分だと思うので、この辺りを軸に差別化していけるといいのかなぁと思いました。