わたしはパリで何をしているのか 去年の旅行3日目~

fukukorota777
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日曜日。

今回の旅行は、1個下のいとこから「6月の前半に仕事でパリに行くんだけど、向こうで会おうよ、同じ時期に行こうよ」と連絡が来て、そりゃほんとに向こうで会えたら面白いなと思って決めた。とはいうものの、あちらはお仕事なのでスケジュールも定まらず会えなくってもまあいいやくらいだったのだけれど。せっかく声をかけてもらったこの機会に行かないと、なんとしてでも1年に1度はって情熱が戻ってこなくて、一生行かなくなっちゃうんじゃないかという焦りもあった。

半々くらいの気持ちで過ごしていたら、前日に「明日の1時から3時くらいまで空いた」と連絡がきたのでお昼を一緒に食べることにする。レストランは向こうのホテルの近くにあるおいしそうなハンバーガー屋さんをgoogleで見繕っておいた。

午前中は、知り合いが「ぜひ行ってみて!一番大きいところだから!」と勧めてくれたバスチーユのマルシェへ。

広い。3列もあるし、道のりも長い。ぐるっと回ってからどこで何を買うか決めるつもりだったけど、無理だわ。たぶんどこかわかんなくなっちゃう。

夏のパリで絶対買うのは、この平べったい桃。日本だと蟠桃っていうみたい。お店の人に食べごろのやつを選んでもらおうとしたら、自分で選びなと袋を渡された。押すぞ。桃を押して程よく柔らかくなってるか確かめるぞ。いいのか!と目力で訴えてみるも(言葉はとっさのことで出ない)、ほらほらやんなよ、と向こうも顔で表現してきたので、一応怒られる可能性も頭に置きつつむにむにしていくつか選んだ。ほかに、bioってうたっていた中でも素朴な印象のお店で、小粒だけれどキラキラして甘そうないちごを1箱購入。

マルシェに行ったその足で、いとこと待ち合わせ。ホテルも見たかったのでお迎えに行き、桃といちごをおすそわけした。

予約をしていなかったので、大丈夫だろうとは思うけど念のためハンバーガー屋さんが開く時間を狙って突撃し、会えたねえ、とかいいつつお互いの写真を撮ってそれぞれの母に送る。オレンジジュースを注文したら、なんがすごいおいしいスペシャルなオレンジジュースもあるけど?みたいなことを言われた(気がする)。よくわからないから普通のにした。ちなみにいとこは英語が喋れるけど、ここは私のフランス語練習の場なので、私がやりとりを引き受けている。フランスにいるとき勘で生きていることはバレたことでしょう。

私はスプライト。パンもここで焼いてるっぽくておいしかった。このあと、フランス用のプラグを忘れたから買いに行きたいという話になり、もうフランスなんてしばらく来ないんだしもったいないよ、持ってきたやつが余ってるから別れた後にホテルに届けようか?と提案したら、なんとレセプションに人がいないという。

そういえば、お部屋までノーチェックで真っ暗の中を通って行ったな……一応レセプションって看板はあったけど閉まってた、確かに。聞けば昨日チェックインしたときも、ガイドの人がどこかに電話をしてどこかからカギをもらってきたらしい。怪しすぎる。今考えてもどんなホテルなんだあそこ。ともかく、じゃあ取りに帰ろう!私の部屋まで!1時間あるから間に合うよ!(ついでにライター買いたい わかった!日曜だからtabac閉まってるけどなんとかなるよ!)と大急ぎでハンバーガーを詰め込み、外に出た。

うおー凱旋門だ!と感動しつつ速足で通り過ぎ、メトロに乗って私のホテルの最寄り駅へ。速足で歩きつつ、ハンバーガーを食べながら私がこの辺って高級住宅街って感じするってきょろきょろしてたのを理解したらしく、いとこが「こっちは下町って感じだね」という。図らずも私のお部屋にもご招待して、プラグを渡し、次はライターだと近くのモノプリに行って「アルメットはありますか?」と聞いた。アルメット、といいながらジェスチャーがライターだったので、店員さんが「それはアルメットではありませんよ。アルメットはマッチで、ライターはブリケです」と教えてくれつつ、売り場に連れてってくれた。ブリケ、今また調べた。アルメットが印象強すぎてブリケをあっという間に忘れちゃう。多分次にライターが必要になったときも、なんだっけかなーと思いつつライターを点けるジェスチャーをしながらアルメットってきっと言う。

いとこのホテルは最寄りの駅から凱旋門を横目に見てすぐなのだけれど、凱旋門から放射線状に大通りが伸びており、入るところを間違えると大惨事になってしまう。時間もないのにもし迷ったら大ごとなので、いとこをホテルまで再び送った。ここだったよね?道の名前も合ってるはず、と凱旋門から大通りに入りずんずん進む。最後の曲がり角のところに大きな電気屋さんがあって、ウォーキングのように歩きながら「道、合ってたーーーー!!電気屋さんだーーーーーー!!」とふたりで大喜びした。旅行テンション。

お疲れ。比喩じゃなくて。あとお仕事頑張って!と別れた後、近くのバス停から昨日予約したエリオットアーウィットの写真展がやってる美術館のほうへ行くバスが出てるとわかったので、バスで移動することに。バス停にベンチがあったから、バスが来るまでぐったりできてありがたかった。

美術館の場所を確認したあと、予約の時間になるまで近くにあったピエールエルメでアイスを食べた。スプーンが長すぎておもしろい。たぶんこれで全部賄ってる。

そして、偶然出会えてラッキーだった写真展へ!

マイヨール美術館。初めて来ました。

犬がテーマの1つになってるから、道順も犬の足跡に誘われながら進んでいく。

なかよし!

一番好きなのはこの写真。これがあるかなあ、って期待してたのでうれしかった。売店でポストカードも買った。大満足。

常設展示と写真展の作品が一緒にある部屋。

これも好きだった。どうしてこんな赤の色が出るんだろう。

ネガとか、使用していたカメラも見ることができた。このときはまだ存命でいらして、生きている時代が重なってるのが幸せだった。

お部屋の最寄り駅まで帰ってきたものの、ホテルまでたどり着けずにコジャンのスムージーで一服。コジャンのブルーが好き。

「あ゛ぁ゛……」と地の底から這いあがってきたみたいな声を漏らしながらビタミン補給して500mくらい歩く活力を取り戻す。

ホテルに帰ってきたらにわかに元気になり、おなかもすいたので、先日のお肉屋さんで買ったハーブ入りのソーセージを茹でてお夕飯にした。

カップに入ってるのは日本から持ってきたおみそ汁。あとごはん。このソーセージはchipolata aux herbes(シポラータオーゼルブ)っていって、ほんとは焼いて食べるらしい。けど私は茹でるのが好き。マルシェやお肉屋さんによって結構味が違うので、毎回、目についたところで3本とか5本買って食べる。ちっちゃく切ってトマトソースとパスタにしてもおいしいし、出汁が出るから野菜とポトフふうのスープにしてもおいしい。でもだいたい茹でて食べてる。