5日目、火曜日。2日目にレッスンでつくったお花を持って帰った替わりに、ランジス市場で買ったリボンとか資材とかを全部アトリエへ置いてきてしまったので取りに行く。この日はパリで大きなデモが予定されていて、2時アンヴァリッドスタート、モンパルナスへということだった。それなら2時にモンパルナスあたりにいればいいかな、とお昼前にお部屋を出発。本格的に出かける前に朝ごはんを買いに行くのも面倒で、コーヒー飲んだだけ。
というのも、いつも泊まるホテルの近くのお気に入り「ダゲール通り」にあるプチシノワ(中華屋さんとタイやさんとベトナムやさんとなんならお寿司やさんも兼ねてるみたいなファストフード中華店がパリにはいっぱいあって、どうやらそれを総じてこんなふうにいうらしい)でフォーを食べると決めていた。
わき目も振らずに歩いていたはずが、駅までの間に、何度か前を通って気になってたここにひっかかってしまった。
かわいい。かわいいお店すぎる。スペイン系らしい。見たことのないかたちのパンとかあった。けれど、私はこのあとフォーを食べるので
コーヒーとクッキー。クッキーは手作り感があふれてて幸せになった。パン食べたいな、買うチャンスあるかなと思ったけれど、ないまま終わった。残念。またいつか。
メトロに乗って移動。パリのメトロには演奏とか(よくわからない演説とか、すげえ俺かわいそうだからお金くれとか)する人が乗っていることがある。音楽系に関してはオーディションがあるのでうまいはずなんだけど、たまにこういう(たぶん)許可を取ってない人も乗ってくる。ピアニカとカラオケってどういうことよ、くくくと笑いつつ、目があったら絶対チップくれといわれるのでこそこそ撮った。ちなみに、演説とかは100パーセント無許可だと思う。今まででいちばんひどいな! と思ったのはただ揺れてるだけの人形使い。
ダゲール通り到着。なにがいいって車がほとんど通らないところ。商店街みたいな感じでなんとなくのんきで、いいお店も揃ってる。
八百屋さんとか
チーズ屋さんの屋根には牛がいる
お目当てのごはん屋さん、コロナ禍を生き抜いてくれているかずっと心配していた。あるとき、Xでフォローしていた方の職場が変わり、それがきっかけで行きつけになったお店があそこでは? と気が付き、思い切ってリプしてしまった(末期)。そしたらほんとに当たっていて、よかったあああとほっとしていたところ。
とはいうものの、ちゃんとオープンしているのをお店の前で確認できたときちょっと声が出た。これが食べたかったんだよーーーーーーー!!牛肉のフォー(小サイズ)。あとはネムとエビ餃子も1つずつ。パリのフォーはおいしい。トッピングも全部乗せて、もりもりといただいた。
コロナがはじまる何年か前に見つけてから、パリに来るたびにお土産を買っていた雑貨屋さんはお休みだった。残念。
アトリエのほうへ向かってぷらぷらしていると、いつも泊まるホテルの前、ショッピングセンターの改装が終わってた。
すっごくいいフードコートできてるんだけど!!こっちのホテルが取れてたら、私毎日お夕飯がここだったかもしれないわ、とかえってよかったとほっとするほど。
上の階に園芸用品店のトリュフォーも入ってて、鉢とか観葉植物とか見て回る。ペット用品売り場があったのでころちゃんのおくびもここで買った。
ぼくのおくびはパリのおみやげなんですよ~(ころじまん)
インテリア雑貨コーナーもあり、お手頃なフランス製の石鹸、お花の香りが付いてて種類もいっぱいあって、を見つけたのでお土産にいくつか買う。
それから、低価格帯のスーパーLECLERC(ルクレー)の大型店が。ひっろ!やっす!と大興奮。このあとモンパルナスのモノプリ(こちらも大型店舗で品ぞろえがよい)に行こうと思っていたので、とりあえず下見にとどまる。バニラ風味のポケットコンデンスミルク(なぜポケットサイズかって? こちらの方はコンデンスミルクを直飲みなさるのです)を見つけた。お土産によさそう。このあと、ミナさんに行ってきたといったら、どうも野菜とかはフランス地産地消を目指してるらしいよ、みたいな話を聞いた。
出てきたら、モンパルナス駅の奥のほうだったので、駅の上の公園に行ってみようかと思って通路を探す。ない。
そして盛大に迷った。どのくらい迷ったかというと、instagramのわたしのアカウント、ハイライトの最後にあるからよければ見てほしいんですけど
え? 入ったとたんに鍵がかかって出られないとかないよねと不安になる何もない空間に入り込んだりしたくらい迷った。とりあえず外に戻り、細いところを入っていく人に一か八かついていったら着きました。
モンパルナス駅の「上」にある「アトランティック庭園」です。反対側にも絶対降りられるはず、とあたりをつけていましたが、そのお降り口がやっぱりわからずうろちょろしていたところ、サッカーボールを持った小っちゃい男の子が「マダム、迷っているのですか?」と声をかけてくれた。小っちゃい紳士、どんくさいおばさんを助けてくれてありがとう。
モンパルナス駅の中に降りることができたので、ついでに駅の中をちょっと散策。モンパルナス地区は現在、大規模再開発中。NHKのニュースで見た気がするんだけれど、飲食店を中心にエキナカ店舗を大量に誘致したことで、雇用の機会も増えたとか。確かにずらずらずらっと飲食店が並んでた。モンパルナス駅は郊外などに向かう鉄道駅でもあるから、お弁当によさそうなものから、手土産になりそうなものから、ここに到着してパリの家に帰る前にちょろっと買えるといいね、みたいなものまで。ベンチとテーブルもたくさんあったので、買ったものを食べる場所にも困らなそう。
つぎはモンパルナスのモノプリへ。お部屋の近くにもそこそこ大きなモノプリがあるけど、こちらはさらに観光客も意識したものがあったりして違う楽しみがある。アパレルはこちらのほうが豊富。いいなーと思っていたけどサイズがなかったワンピースがこちらにはあったので購入した。
ちょうどいいくらい時間だったのだけれど、ミナさんから連絡があり、やはりデモのせいで道路が激混みだったり通行止めだったりしてまだアトリエに帰れないとのこと。あんまりこちらが動くと今度は私がデモと遭遇するかもしれないので、ブールデル美術館で時間をつぶすことにした。
常設展は無料で、お庭もすてきで、ベンチがたくさんあってのんびりできる。おすすめの美術館です。彫刻がたくさん。
鷹の少年ひさしぶり!私はこの彫刻が大大大好きです。喜びにあふれていて、よかったね! と声を掛けたくなる。
ぼーっとするのに最適です。日陰のベンチに座ってスマホに入れてた電子書籍を読んだりしてた。
ミナさんから戻ってきたと連絡があったので、アトリエへ。大きな通りにさしかかったとき、向こうからどんどこどんどことデモの音が聞こえてきたので、そのままアトリエでしばらく避難させてもらった。
すっかり大荷物になったのでお部屋に一旦帰り、ごはんどうしようかなーと思いながらホテルすぐ近くにあるボーグルネルのショッピングセンターに行った。一角にすっかり行きつけとなったモノプリもある。まずは好きなインテリアショップがあるので覗きに行って、そのあとはショッピングセンターの中をなるべく全部見られるように歩いた。すてきなハンドクリームを見つけたよ。同時に、さっき1枚ワンピースを買ったからか弾みが付き、もうちょっとお洋服がほしいな、と欲が出た。
私ぐらいの年代向けでちょっと価格帯高めなお店に入ったら「サイズいってね~」と言ってもらったので「これの44か46ある?」って聞いたら「それ36までしかつくってない」と言われ、思わず「さんじゅうろくううぅぅ?!」と素っ頓狂な声を出してしまい、お姉さんに「わりぃ」と笑われる。お姉さんは悪い人のようには見えなかったけど、いまだにお前に売る服なんてねえって嘘つかれたんじゃないか、って気持ちが半分ぐらいある。だって36って。せめて38でしょ。誰が着れるんだそんな服。世の中の人たちはどんだけ細いんだろう。
動揺しつつモンパルナスからボーグルネルに移動したギャラリーラファイエットにも行く。私のサイズもそれなりにあって安心した。しかしながらスカートを買おうとしたら、レジの管理画面上ではあるのに在庫がない。もういいです、って言ったんだけど、店員さんはあきらめずに「だいじょうぶ!だいじょうぶだから!」と30分くらい探してた。待ってるしかないし、手持ち無沙汰で、思わず「店員さんがあきらめてくれない」ってツイートまでしてしまった。結局なかった。ちょっとー。うける。ここまできたら、なんか買ってやろうという謎の意地がでて、ラファイエットオリジナルで出してたブルーのジャケットを買った。うける。
いろいろ衝撃なことがあってなんか面白くなってきちゃって、ごはんをつくる気力が出たので、ごはんのお買い物をして帰宅。
お夕飯は、モノプリで買ったレンチンのブッフブルギニョンと、これだけじゃ絶対足りないと思って焼いたお肉。お肉食べたかったんだね……。オニオンスープと、デザートは桃。また桃買って食べてる。