昔観た「すばらしき世界」の話をしながらSNSを眺めていたらタイミング良くアンテナに引っ掛かり、キャッチコピーが気になったのと高評価だったので鑑賞。「すばらしき世界」にショックを受けたのもあり。
おそらくこの映画が1番刺さる層からはちょっと遠いので、共感とかはそこまで無く、また思ったより淡々としていたので期待していた体験とはちょっと違ったかなと思う。じゃあ感情移入できずにどう見るか?というと、おじさん萌え日常映画だな…と思った。無口だけど無表情ではなく、天気が良かったり、新しいカセットテープを探したり、カセットテープを若い人が気に入ったりするとすぐニコォ…と微笑む清貧で誠実なおじさん。毎日早起きができてえらいなあ。
かと言って全然感覚がわからないわけでもなく、見終わった帰りに電車で揺られながら音楽を聴いているこの状態も少なからず主人公と重ねることができるんじゃないかなあ、と思って少し胸を張ったり。
えらい綺麗好きだったり、突然姪が泊まりに来たり、実家との関係が複雑そうだったり、そもそも何故かなりの無口なのか、人物の背景はしっかりとは描かれることなく、ただひたすらに現在の時間の流れだけが描かれていくので想像力が試される。
大瀬良が丸にヒットを打たれた後誰かにツーランを打たれた試合(いつのものだろう…とぼんやり思った)で「金で勝利を買って何が楽しいんだ」と愚痴を言うシーンと、少し後に一瞬だけ映る巨人の選手が横浜の選手に打たれた試合は、この映画のテーマから察するに「お金だけがすべてじゃない」というメッセージをじんわりと発していたのだと思うんだけども、いうてベイスターズはそこまで貧乏でもないし打ったバッターは助っ人外国人(バッターがソトに見えるな…とぼんやり思っていたが本当にソトっぽい)なんだよなあとやや苦笑。