今日は帰りに、しつけ用口輪をつけて歩いてる犬がいた。
その犬を見た時なんだか悲しくなった。
だからといって、飼い主を責めようなんて気持ちはない。むしろ、飼い主もいろいろと考えて口輪を犬に嵌めて散歩しているのだろうと考えている。
「可愛い〜」と急に駆け寄ってきた子供に、犬がびっくりして噛んでしまうこともあるだろう。愛犬が人を噛んだ場合は事故発生届を保健所等に提出しなければならず、噛まれた人に対する賠償金が発生する可能性もある。
そうなることを防ぐための口輪だと思うと、飼い主を責めることはできない。
犬は人間の子供と違って、「〇〇の理由により、人を噛んではいけないのだ」と諭すことができない。言葉で伝えても犬は理解できないからだ。言葉によるしつけができないとなると、体罰や口輪のような道具によるしつけが多くなることだろう。
芸を覚えさせるときなどは、芸をした犬におやつを与えるしつけも行える。しかしこのしつけは、何かを'やった場合'には良いのだが、'やらなかった場合'は適用されない。芸を行った時におやつをあげれば「この芸をすればおやつが貰えるんだ!」と犬は学習するが、人を噛まなかった時におやつをあげても「何がトリガーでおやつを貰えたんだ?」と犬はおやつをもらった理由を理解できない。「子供のそばにいたからおやつを貰えたのか?」と誤学習して、子供がいたら突進してしまう犬になるかもしれない。
だから、愛犬が人を噛まないようにするには、たしかに口輪をはめるしかないのだろうと思う。
ただ、やはり、犬が口輪をつけられている姿を見ると、野生で自由に生きていた時代と比べて犬まで生きづらくなったのだろうなあと思ってしまうのだった。