別の映画を見ようと映画館のサイトを見ていたら、たまたま上映されていることを知って即予約した。
もともと物語シリーズは映画館映えする作品だろうなと思っていたけれど想像以上だった。アクションシーンがとにかく鳥肌もの。特にエピソードと阿良々木のアクションはかっこよすぎて何が起こったのか分からず、もはや畏怖すら覚えた。また、音楽もとにかくハイセンスでアニメ映画とは思えないクオリティ。映画館の音響で聞くべき音楽。サントラが欲しい。わざわざ映画館に足を運んだかいがあったなと思わせてくれた。アカデミー賞にノミネートされていてもおかしくない。
そしてつくづく羽川翼は尋常ではない女の子であることを実感させてくれた。羽川を見ていると、「人間」を突き詰めた人はいずれ化け物になるのだと気付かされる。これは椎名林檎様の「鶏と蛇と豚」の歌詞の世界観にも通じている。『甘い蜜を覚えた。頬張りながら私は、これが瞬く間になくなってしまう事態を危ぶんだ。 自分が全てを平らげるまえに、あらたなぶんを蓄えて置こうと、口から蜜を溢れさせたまま奔走した。充分な量を集めて来た上で私は更に貪り続けた。すると俄かに吐き気を催し遂に嘔吐した。』原因は違うけど、この歌詞の「嘔吐」と羽川がブラック羽川になることは似ている。
この歌は最後にこう綴られている。『愛するのは、自分だけ。目で視て、耳で聴いて 鼻で嗅いで指で触れて、そして舌で味わった私の体験こそが、何にも代え難く尊いものである。』この歌が自分のことのように歌えるようになるまで、社会で足掻いていきたい。