ロバート・ダウニー・Jr.がオスカー受賞の際、壇上でプレゼンターのキー・ホイ・クァンを無視したことが話題になっている。気のせいだと主張する「白人様擁護派」が湧いているが、オスカー像はしっかりキャッチしているのでクァンが見えなかったはずはない。明らかに人種差別だし、仮にそうでなくても無礼なのは間違いない。
世界のため、人類のために犠牲になったアイアンマンの崇高なイメージは何だったのか。代わりに頭をもたげたのは、先日試写した『オッペンハイマー』でルイス・ストローズを意地悪く演じてみせた同氏だった。
憧れの人に対面したら全然想像と違った、ということが稀にある。尊敬していた教授に対面したらすこぶる塩対応だったとか。洋楽好きな私としては、このアーティストたちが人種差別者だったらどうしよう? と心配になっている。
最近、Maude Latourの2023年のアルバム『Twin Flame』を聞き込んでいる。『Lovebomb』という曲は彼女の「Can we keep talking?」という囁き声で終わる。「話を続けてもいい?」と問う彼女に、「その前にあなたは私と話してくれるの?」と問いたくなった。オスカー授賞式の翌日。