「確かに、私が無理をすることでダメになった場合、業務が滞るし、周囲に迷惑をかける。そこまでは同意する。次に、無理しないほうがそのリスクが減る、それも同意する」
「じゃあ、無理を止める?」
「私なりにダメになる前のラインを狙っているつもり」
「これまで倒れている人たちを見ると、人間はダメになるラインを認識する能力がない」
「確かに。でも、人間がダメになるラインを認識できないなら、結局、「ダメになっちゃダメ」ではなく「そのリスクを混みでどれくら頑張るか」という期待値の話になってくる。確かに何パーセントかの人が定期的にダメになっている。でも、同じくらい無理してダメになっていない人が、ダメになった人と同じくらい頑張っていることで世界はよくなっているのでは?」
「貴方は何の話をしているの? 私は貴方の人生の話をしている」
「私はもちろんみんなの幸せの話をしている。私は私の人生の話なんてしたくない」
「貴方が貴方の人生の話をしなくてどうする?」
「話がずれてる。私の人生の話でも、全体の生産性の話でも、〝私がこのままではダメになる〟を示さないといけないのは同じ。私の立場は〝私は大丈夫なつもり。そのうえで、人間は自分自身が自分は大丈夫か判断する能力がないことは同意する〟。貴方は〝私がダメになりそう〟の根拠を示して私を納得させなければいけない」