フィクション作品を評価する際、私はいくつかの要素を重視しています。もちろん、他にもさまざまな要素がありますが、寄与率が高いものを上から順に並べたトップ3、という位置づけです。
以下、私が特に大切にしている3点を紹介します。
構成や演出の巧みさと娯楽性：作品がどれだけ面白いかは、私にとって重要な評価基準です。作品のテーマに共感できなくても、その構成や演出が巧みであれば、作品に引き込まれます。面白さとは、見る者を飽きさせない技術であり、物語を進行させる力です。
「私のために作られた」という錯覚：作品が私の興味を引くテーマを扱っているか、キャラクターが共感できる存在であるかは、私にとって非常に大切です。細かい決断や仕草に感じ入ることがあり、それらが自分にとっての「特別な何か」を感じさせます。この要素は、作品が個々の視聴者にどれだけ響くかを決定づける要因です。
キャラクター表現の「人間の優れたデフォルメ」：これは、少し説明が難しいのですが、優れたモノマネ芸を例にすると理解しやすいかもしれません。モノマネ芸は、対象の特徴を強調して表現することで、その特徴を私たちに明確に認識させます。「ああ、確かにこの人はこのような特徴があるな」という気づきを与えてくれるのです。私が「人間の優れたデフォルメ」と考えるのは、まさにこのことです。キャラクター表現が人間性の理解を深める手がかりを提供してくれるとき、私はその作品を高く評価します。
これら3点は、私がフィクション作品を評価する際の基本的な枠組みです。もちろん、これら以外にも多くの要素が作品の魅力を決定づけますが、私にとってこれらは特に重要なポイントです。それぞれの視点から作品を見ることで、その作品の深さや魅力を多面的に捉えることができると思います。フィクションは多種多様で、その評価方法も人それぞれ異なるのが面白いところです。